[News] 新著『出版・新聞 絶望未来』(東洋経済新報社)が11月1日発売されます! |
2012年 10月 11日(木曜日) 03:11 |
電子書籍の進展、新聞のデジタル化への挑戦など、プリントメディアを取り巻く現状を、主にビジネスの面から描いた新著『出版・新聞 絶望未来』(東洋経済新報社)が11月1日に発売されます。 本書では俗に「4マス」と呼ばれる既存の4大マスメディア(出版、新聞、テレビ、ラジオ)のうちの出版、新聞というプリントメディアを中心に論じ、とくに電子書籍には紙幅を割きました。現在、多くの出版社、新聞社が経営危機に見舞われ、その影響でジャーナリズム、コンテンツの質が落ちるという悪循環が起こっています。
いったい、この先、プリントメディアはどうなってしまうのか? その答を私なりに追い求めてみました。以下が、その目次です。
第1章 いつまでたっても電子書籍元年 日本は電子書籍専用端末の墓場なのか? 楽天の電子書籍専用端末「Kobo」への期待 アマゾンに価格決定権は渡せない 紙は定価で電子は自由価格 社長自ら「挑戦価格の7980円!」とアナウンス 「打倒アマゾン」と書かれた迷彩柄Tシャツ 発売直後からユーザーの苦情が殺到 なんでもいいからタイトル数を増やす? やはり準備不足の「見切り発車」だった 電子出版市場ができ上がったアメリカ 電子書籍はイノベーションでなくサービス 「もう1台のデジタル端末」を買える購買力
第2章 電子出版の超えられない壁 ビジネスにして初めて電子書籍革命になる 大手出版社の電子書籍の制作現場 電子化は大手でも月に100冊がやっと 新会社「出版デジタル機構」の発足 サービスの名前を「パブリッジ」とした理由 株式会社なのに見えてこない「儲ける」方法 「東北救済」がいつの間にか「中小出版社支援」 電子出版が進展しない七つの理由 使い勝手が悪く時代遅れの日本の著作権 アマゾンも突き当たった著作権の壁 なぜ「著作隣接権」が大事なのか? 「価格決定権」と「独禁法違反」問題 フォーマットの統一とDRM外し 海外から電子書籍を配信すると消費税ゼロ
第3章 電子書籍は紙のライバルか? なぜアメリカは電子書籍が普及したか? 読むためでなくインテリアとして存在する アメリカの書店も日本と同じで経営難 電子出版市場が成長しているアメリカ 日本とフランスは電子書籍後進国 フランスは電子書籍まで定価販売 イギリスでも電子出版市場が成熟 2015年、紙と電子の比率は「5:5」に!
第4章 止まらない出版不況 出版界の売上減とJRAの売上減はそっくり同じ 大手4社の決算に見る出版不況 丸善上位3店が取次をトーハンから日販に変更 トーハンが取次ナンバーワンを転落した理由 書店の現場は知的労働ではなく肉体労働 書店が減っていくなかでのコンビニ頼み 「正直言ってどうしていいかわからない」
第5章 クールジャパンの終焉 日本政府の「クール•ジャパン」復興計画 戦略とカネで韓国に負けている日本 人的資源への投資を怠ったことで失速 日本の本の3冊に1冊が漫画 コミックスがコミック誌を逆転 日本漫画の海外展開と市場規模 マンガといっしょにアニメも衰退中 漫画家はどのくらい稼いでいるのか? 「それでもマンガが大好き」が現場を支える
第6章 苦悩する新聞、苦悩するジャーナリズム 共同通信、時事通信、読売新聞の配信ミス事件 いつもなにかに追われている「ハムスター記者」 「社員純血主義」と「匿名主義」の弊害 背景には二大通信社が抱える経営問題が 止まらない部数減と若者の「新聞離れ」 「不動産」と「デジタル」という未来図 紙をあきらめデジタルにシフトせよ! コンピュータが記事を書くので記者は不要 新聞がなくなった街で進む腐敗
第7章 もっとも衰退している産業 この数年間でもっとも衰退している産業とは? 新聞は赤字でも親会社は黒字 新聞は生物の「絶滅危惧種」と同じ ローカルペーパーの衰退が止まらない サンディエゴの地方紙で起こった危機 バフェット氏が始めた地方紙の大型買収 はたして地方紙は生き残れるのか?
第8章 課金モデルは成功するのか? 『EPIC2014』が予言した新聞の未来 『ウォールストリート・ジャーナル』の挑戦 「情報はタダ」はインターネットの宿命? 経営悪化からの脱出をデジタルに求める ペイウォール成功の秘密は「抜け穴」に? 有料購読者は増えても広告は増えない ペイウォールを成功させるための方策 課金が成り立たない地方紙とネットのライバル 日経、朝日と読売では課金モデルが違う 2年で有料購読者を20万人獲得した日経 有料購読者10万人に向けてのキャンペーンを
第9章 デジタル化は不況を招く 「ものづくり大国」日本の根幹の崩壊 モノからサービスへの論理転換ができなかった すべてが一つの端末で楽しめる時代 100人中16人以上が始めると変化が起こる モノとサービスの普及はますます高速化 「ジョブレス・リカバリー」はなぜ起こったか? 失業は資本主義が成立時から持つ矛盾 IT革命が「1対99」の社会をつくった 「ウォール街を占拠せよ」運動の自己矛盾 コンテンツがあふれ質は低下する 「常に愚かであれ」は誰に向かって言ったのか? |
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