12/11/16●出版デジタル機構がやっと電子書籍配信開始も、目標達成は絵に描いた餅 |
出版デジタル機構が、11月16日から、ようやく電子書籍の配信を始めた。第1弾は講談社新書「ブルーバックス」の52点や「子どもにウケる科学手品77」など既刊本のみ。配信先は、1紀伊國屋書店BookWebPlus、koboイーブックストア、GALAPAGOS STORE、BookLive!、hontoなど、15の電子書店。 出版デジタル機構は、産業革新機構から150億円の出資を受け、大手出版社や大日本印刷、凸版印刷などが中心になり、今年の4月2日に発足した。タイトル数が少ないことが日本で電子書籍が進まない最大の原因とし、「100万冊電子化」を掲げた。 そうしたなかで、まず、経済産業省の補助事業である「コンテンツ緊急電子化事業(緊デジ)」(10億円の補助金)に基づき、来年3月までに6万点電子化を目指した。今回の配信は、その一部。しかし、先月までに集まったタイトルは数千冊で、目標達成にはほど遠い。しかも、既刊本ばかりでは、売れるとは言い難い。 出版デジタル機構の野副社長は、次のようなコメントを出している。 「電子書籍の品不足という課題を、一刻も早く解決する必要がある。出版社には引き続き、電子化する書籍を提供するよう働き掛けていく」 お願いしなければタイトルが集まらないのだから、すでにこの計画は破綻していると言っても過言ではない。産業革新機構の出資金はほとんど税金だから、こんな馬鹿げた計画は一刻も早くやめるべきだろう。 |