[NEWS]新著『税務署が隠したい増税の正体』紹介 |
『税務署が隠したい増税の正体』(文春新書 788円)この4月から消費税が増税されますが、増税は消費税ばかりではありません。今後、相続税、所得税など、税金はどんどん高くなっていきます。つまり、日本は重税国家になろうとしているわけです。 どんな国家の下でも、真面目に働いて正直に納税する。それが国民としての最大の責務です。しかし、どうも納得がいきません。というのは、現在の政府が本当に国民のためを思って政治を行っているのか、疑わしいからです。 Amazon.co.jp: 税務署が隠したい増税の正体 (文春新書): 山田 順
このような意識のもとに、今後、日本政府が行う「増税」を総点検したのが、この本です。世の中には、多くの「節税本」(税を少しでもうまく減らす方法が書かれている本)が出回っていますが、本書はそんな本とはまったく違います。なぜなら、巷間言われている節税法の多くを否定しているからです。 この本の帯には「国家はどうやってあなたの資産を奪うのか?」とあります。本書を読んでいただければ、なぜそうなるのか?その全貌がわかります。 以下、本書の目次を掲載し、その後、文藝春秋4月号「本の話」欄に書いた「自著を語る」を掲載します。 ■これが、目次です はじめに 第1章 あなたの資産は「増税」で強奪される 第2章 ここまで取られる「増税メニュー」一覧 第3章 サラリーマンの増税対策 第4章 庶民からも奪う「相続税」 第5章 「相続税・贈与税」の節税対策 コラム:国税の組織と権力 第6章 「住宅ローン減税」という罠 第7章 「NISA」と投資の落とし穴 第8章 マイナンバーによる一括管理 コラム:税理士は信用できるのか? 第9章 資産フライトと富裕層課税 第10章 重税国家は衰退する
■文藝春秋4月号『自著を語る』(「本の話」欄) 本書の発売に合わせて、文藝春秋4月号「本の話」欄に、「自著を語る」として以下のような一文を書きました。そこで、以下、その全文を掲載させてもらいます。
税理士には絶対書けない本を書いた理由 山田順話は昨年9月にさかのぼる。 当時、安倍首相は大きな決断を迫られていた。それは消費税を8%に上げるという、私たちの暮らしに直結する大問題だった。いくらアベノミクスで円安になり株価が上がったとはいえ、景気回復の実感は乏しい。普通なら、この状態での増税はありえない。 しかし、メディアの報道は増税容認一色だった。また、2020年の東京五輪も決まって、日本中が祝賀ムードに包まれていた。その結果、安倍首相は10月1日、消費税の増税を発表した。 この経過を見て私は、この先、日本は大変なことになると思った。なぜなら、増税は消費税ばかりではなく、所得税や相続税などにも及んでいるからだ。 じつは私は、経済やビジネスに関しての本を書きながら、その一方で出版プロデュースも手がけている。そこで、税の専門家は増税をどう見ているのか? なにより、私たちの暮らしはどうなるのか?を、徹底して追求した本を企画すべきと考えた。そうして、何人か著者になりそうな税理士や弁護士などに当たったが、返事はすべてノーだった。 すでに世の中には、増税を見越した対策本が出始めており、雑誌でも「税特集」が組まれることが多くなっていた。ただそれらは、いずれも節税ハウツーが中心。しかし、私が望んだのは節税ハウツーではなかったので、みなさん尻込みしたである。 「山田さんが言うことは、ひと言で言うと”反税思想“だ。それに基づいて本など書いたら、国に睨まれるし、なにより自分の職業が成り立たなくなる」と、ある税理士は言った。国際税務に詳しい弁護士も、「いやあ、そこまでは踏み込めない」と言うのだった。 じつは、この世の中に自分だけトクできる節税法などない。もちろん脱税は論外だ。だから出回っているハウツー本は、税務署も先刻承知している事柄の羅列にすぎない。 そこで困った私が頼んだのが、友人の税理士N氏。彼は、税務法人を長年経営してきた豊富なキャリアの持ち主で、考え方も私に近かった。 彼の持論は、「この世の中には行きたくない場所が三つある。一つが刑務所。もう一つが病院。そして、三つ目が税務署。この三つのうち、刑務所は罪を犯さない限り一生行かないですむ。病院も病気にならない限り行くことは少ない。しかし、税務署は、国民に納税の義務がある以上行かないわけにはいかない」というもの。つまり、「決まった税金は払うしかなく、私はそのサポートしかできない」と、極めて当たり前のことを言う人間だった。多くの税理士が、「うまい方法がある」と客集めしているが、N氏はけっしてそんなこと言わない男だった。 そのN氏が、「山田さんがそこまで言うなら」と言ってくれたので、文春新書の編集部に企画を持っていった。 その後、彼と何度か打ち合わせをしつつ、私自身も増税に関しての取材を始めた。ところが1カ月後、N氏から「やはり無理だ。著者を降りたい」という連絡が入った。その理由は、前記した税理士と同じだった。 私は行き詰まった。そして、この状況をそのまま編集部に話し、「もしそれでもやるとしたら、自分で書くほかないのですが」と言った。すると編集部の返事は、なんと「そうしてください」。 文春という会社は本当に懐が深い。税の専門家でない私に税の本を書いていいと言うのである。本書は、そうした文春の懐の深さに精一杯応えるとともに、税の専門家では書けないことを書いたものだ。したがって、巷間言われている「節税ハウツー」を、多くの場合、否定している。 相続税の節税対策とされる「不動産購入で評価額を減らすスキーム」などには極めて懐疑的だ。また、サラリーマンの節税法とされる「サラリーマン法人設立」などは効果なしとしている。さらに、優遇措置とされる「住宅ローン減税」に関しても、利用のメリットはないと警告している。「非課税口座」として人気が出た「NISA(ニーサ)」も、国による株価安定装置としか見ていない。 現在、国外に資産を持ち出すという「資産フライト」が盛んだが、このことにも税の面から考察した。なぜ、今年から海外資産を申告せよという「国外財産調書制度」が始まったのか? 日本が世界80の国や地域と結んでいる租税条約、多国間で構成する徴税ネットワークについても詳述した。 さらに現在、増税よりもっと問題視されるべき「マイナンバー制度」も取り上げた。これは、国民全員に一つの番号が割り当てられ、それですべての収入・資産、場合によっては健康情報まで管理されることだから、考えてみれば増税より恐ろしい。 中国の故事に「苛政は虎よりも猛なり」がある。苛政(税金が過酷なこと)は虎よりも残酷で、国民を苦しめるというたとえ話である。今後日本は「重税国家」になる。そのことの意味を、本書によって改めて考えていただけたらと願う。
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