14/05/22●朝日新聞が「吉田調書」でスクープ。しかし他紙はほぼ無視 |
5月20日、朝日新聞が今年最大級のスクープ記事を掲載した。福島原発第一原発所長で事故対応の責任者だった故・吉田昌郎氏が政府事故調査・検証委員会の調べに答えた「聴取結果書」を独自で入手し、政府・東電の事故対応に不手際があった可能性を示唆したものだ。「原発 命令違反し9割撤退」など、知られざる事実を書いている。そしてその後も、朝日は「調書」の内容に基づく報道を繰り返してきている。 しかし、他紙はこれをまったく無視し、政府が事実上、認めたにもかかわらず、ベタ記事扱いである。 これは、日本のメディアの悪しき習慣で、どこかの単独スクープの場合、面子が潰れるから、書かないのだ。つまり、スクープは単なる仲間うちの「抜くか抜かれるか」だけの競走でしかなく、その価値については考察されない。その例外は、いずれ発表されるものをどこかが抜いた場合だけで、今回のような調査報道ものは追いかけない。 今回のスクープは、その価値からいって国民的なものだから、この報道姿勢はおかしい。スノーデン事件と比べてみれば、日本のメディアの悪しき体質がよくわかる。 |