15/06/27●取次倒産としては最大規模、業界4位の栗田が倒産 |
栗田出版販売が、6月26日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請して事実上倒産した。栗田は業界4位だが、帳合いが中小書店中心だったため、書籍・雑誌の販売不振、書店数の減少という出版界不況の波をモロに被った。年々売上高が減少するなか、再建策も見出せなかった。 日本の出版流通は大手2社(トーハン、日販)が7割を占めているので、中小だけの帳合いではやっていけない状況になっている。また、出版流通自体もアマゾンのオンライン販売によって構造的に崩壊しつつあるので、本と雑誌の販売取次というビジネスモデルを続けるかぎり業績は悪化する。また、業態転換するにしても有効なモデルがなにかもわからない。 今回の民事再生法申請で、栗田は今後、大阪屋から信用補完と物流代行の支援を受け、出版共同流通(日販の子会社)などと連携して物流を行っていくという。大阪屋に出資した楽天や講談社、大日本などが同じように支援をするのだろうか? また今後、中小書店は帳合いを大阪屋、日販中心に転換していくということなのだろうか? 再建計画案の提出 は3カ月先になるという。ただし、本の読者にとっては、このような業界内部のことはどうでもいいことだろう。 栗田の負債は2014年9月期末時点で、約134億9600万円と報道されている。 |