15/07/07●栗田倒産で考える中小書店と取次ははたして必要なのか? |
取次業界4位の栗田出版販売が先月倒産し、債権を回収できなくなった版元からは怨嗟の声が聞こえてくる。版元の資金繰りは取次経由だから、今回の栗田の倒産は、今後、中小版元に及ぶだろう。 もはや、紙の本の出版流通が制度疲労を起こして回復不可能なのは確かだ。この制度疲労を立て直す方策はない。再建などやっても無駄だ。 なぜなら、読者の側から見ると、もはや書店すらいらなくなっているからだ。だから、ここに本を卸している取次もいずれいらなくなる。 地方では中小書店がどんどん閉店している。しかし、誰かが困っているかというと誰も困っていない。本屋で本を探索するという楽しみはなくなったが、本はアマゾンで確実に手に入るからだ。 もちろん、都市部でもアマゾンで十分だ。都市部なら大型書店があるので本を探索できる楽しみはある。しかし、買うとなると、書店で買わずにスマホかPC経由でアマゾンに注文する人間が多くなった。そうすれば荷物にならないうえ、翌日には届く。大型書店はショールーミング化している。 紙の本はなくならないが、既存の出版流通は早晩なくなると考えたほうがいいだろう。 |