15/09/05●コミックしか売れていない日本の電子書籍市場の実態 |
『出版月報』8月号に、2014年の電子出版市場の「ジャンル別推移」が紹介されている。これは、7月にインプレスにより発表された電子出版市場調査に基づくもので、電子書籍市場を、書籍、コミック、雑誌に3分類している。2014年の全体の市場規模は前年比39.3%増の1411億円だが、コミックは対前年比40.1%増の1024億円で、なんと全体の72.6%を占めている。 つまり、日本の電子書籍市場というのはコミックに偏った市場で、一般書籍はほとんど売れていないし、たいして伸びていない。にもかかわらず、インプレスでは市場規模を2015年には1600億円、2016年には1980億円、2019年には2890億円に達すると予測している。現在、紙のコミックの売上が2256億円だから、そんなことが起こりようはずがない、起これば、紙のコミックはほとんどなくなり、一般書の電子版も急激に市場を拡大することになる。
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