15/12/10●軽減税率の適用に加工食品が入ることで決着した裏側に「新聞・出版物にも適用」 |
低所得者の税負担を和らげることが目的の軽減税率問題は、12月10日、公明党の主張が通って「生鮮食品+加工食品」で一応決着した。しかし、メディアはここに新聞・出版物(書籍・雑誌)が含まれるかどうかは一言も触れなかった。 新聞の講読料が10%になるか8%のままかは新聞社経営にとっては死活問題であり、書籍や雑誌も同じ理由で出版社経営にとって死活問題である。だが、「低所得者の税負担を和らげる」こととはほとんど関係ない。 では、なぜこれをメディアは伝えなかったか? それは、もし「生鮮食品」だけで決着し、それに新聞・出版物も含まれるとなったら国民の大批判を浴びるからだ。しかし、加工食品にも適用され、その規模が1兆円まで拡大されれば、200億円程度とされる新聞・出版物の軽減税率適用は目立たなくなる。また、公明党の母体、創価学会も「聖教新聞」を発行しているという事情もある。 ただし、この決着は公明党が押し切ったわけだから、新聞適用が決まったら、今後メディアは公明党に恩を着せられ、批判をできなくなる可能性がある。 なお、補足しておくと、先日公開された政治資金収支報告書(2014年度分)によると、新聞の業界団体から自民党を中心に政界に927万円の政治献金が支払われていた。献金団体は、新聞販売店の業界団体である日本新聞販売協会(日販協)。日販協は、日本新聞協会とともに、これまで新聞に対する軽減税率の適用を勝ち取るロビーイングを行ってきていた。 |