[258]蓮舫は日本の政治家としてはアウト。二重国籍問題を考える。 |
すでに産経新聞のウエブサイト「IRONNA」に寄稿し、蓮舫氏に日本の政治家たる資格はない、現時点では「アウト」だと書いた。法的にはクリアしているとはいえ、まだ台湾国籍の放棄手続きが完了していないのだから、事実上の二重国籍のままである。とすれば、そんな状態で、民主党代表になってはいけない。政治家のような公的な職務に就く人間に、このような曖昧さがあってはいけない。 日本の政治は日本人によってなされなければならない。これが、原則というか、絶対的なルールだ。そこで、日本人とはなにか?ということになるが、日本では、国籍法などのルールが明確でない。国籍と市民権、永住権を区別していない。そのため、蓮舫氏のようなケースへの判断が甘くなるのだ。
■血統主義で国籍を与えることに問題が
日本は国籍に関しては「血王主義」を採用している。その結果、単一国籍しか認めていない。両親のどちらかが日本人(昔は父親だけ)なら、その子供は日本人となる。そうして自動的に日本国籍が与えられる。 しかし、この血統主義は、現在のグローバル世界に適さない。なぜなら、アメリカをはじめ多くの先進国が二重国籍を認めており、血統だけでは公的な権利・義務の対象とはならないからだ。 その国の国民(市民)となり、公的な職務に就いたり、選挙権・被選挙権が与えられたりするためには、単に日本人(日本国籍を持つ)の親から生まれただけでいいはずがない。この国の文化・伝統・法を守るということをはっきり表明してもらわなければならない。
■日本のパスポートになるのがいや
蓮舫氏の場合、これまでの経緯をたどれば、それを行っていない。17歳のとき父親とともに日本に帰化する手続きを取り、そのとき台湾国籍を放棄する手続きをいっしょに行ったと思い込んでいたという。しかし、これは記憶の問題ではなく、明らかに嘘と思われる。 なぜなら、これまで明らかになった蓮舫氏のインタビュー記事などを読むと、蓮舫氏は台湾国籍に愛着を持っていたのが明らかだからだ。平成4年6月25日付朝日新聞夕刊の記事には、《父が台湾人、母が日本人。十九歳のとき、兄弟の就職もあって日本に帰化した。東京で生まれ育った身にとって暮らしに変化がなかったけれど、「赤いパスポートになるのがいやで、寂しかった」 》とある。 つまり彼女は、“記憶上”で放棄しただけで、ずっと台湾のパスポートを持ち続けていたはずだ。 蓮舫氏は手続きを父親任せにしたと言った。とすれば、なおさら父親が自分の娘の台湾国籍を放棄させるはずがない。私は台湾出身の日本国籍収得者を何人も知っているが、台湾国籍を自ら放棄したなどという話を聞いたことがない。
■ノーベル賞受賞者・中村修二氏は日本人か?
私の周囲でもっとも多いのが、アメリカとの二重国籍の若者だ。アメリカではアメリカ国内で生まれれば誰にでも国籍が与えられる。 そうして日本に帰国し、22歳になるとどちらかを選ばなければならいとされるが、それをした人間はほぼいない。罰則がないからだ。だから、そんなことはしない。しかも、アメリカ国籍には大きなメリットがある。 日本の血統主義が最悪なのが、ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が「日本人」とされ、大々的に報道されたことだ。しかも、日本人としては何人目とカウントまでされた。 しかし、中村氏は国籍から言えば日本人ではない。ノーベル賞のサイトにはプロフィールに"American Citizen" (アメリカ市民)と書かれていた。中村氏はアメリカに帰化(市民権を獲得)しているので、自動的に日本国籍を失っている。つまり、日本人であるわけがない。
■愛国心のないネット民の醜い嫉妬
日本では「市民権」という概念が希薄である。国籍とほぼ同義になっている。だから、日本で生まれた日本人なら、日本国の市民権と国籍を持っているとされる。 せのせいで、国籍問題が発覚したとき、ネット民による蓮舫バッシングは盛り上がった。これは、二重国籍者、とくに蓮舫氏のようなハーフの人間に対する嫉妬である。“ホンモノの日本人ではない”として、自分を正当化するための醜い嫉妬心がネット上で燃え上がった。 しかし、“ホンモノの日本人”ということで言えば、蓮舫氏を糾弾したネット民のほうが日本人ではない。日本人であることに悩んだうえ、それを選択した人間と、生まれながらに日本人として育った人間のどちらが、この国の文化・伝統・法を守り、日本人としての義務を果たすだろうか?
■「外国人居住者に参政権を」運動の愚
アメリカでは「永住権」(グリーンカード)を持っていても選挙権も被選挙権も得られない。「市民権」を得て初めて獲得できる。 しかも、市民権を獲得するには、厳しい審査がある。この審査では、アメリカ合衆国憲法への忠誠を示し、以前保持していたすべての外国への忠誠を放棄することを誓わねばならない。また、国家の大事には、法律が定めた市民としての義務を果たす約束もする。 ところが、現在、外国人居住者に参政権を与えようという動きが拡大している。旧民主党や共産党などが政策として推し進めている。単に居住許可証を持つだけの外国人にも参政権を与えようといのだ。 彼らは、国家というものがどのように成り立っているのかわかっているのだろうか? 日本は、今後、明確な国籍法、移民法を整え、どのような国民と国家であるべきなのかを明確にする必要がある。
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