G1予想[192]ドバイワールドカップ(2017年3月25日) |
2017年 3月 20日(月曜日) 22:26 |
6つのG1と3つのG2が行われる。以下、いちおう全レースを検討してみた。ただし、JRAが馬券を発売するのは、日本馬が出走するドバイワールドカップ、ドバイシーマクラシック、ドバイターフの3レースだけ。UAEダービー、ゴドルフィンマイルなどにも出走馬がいるが、こちらは発売なしだ。なお、ここでのオッズは主にウィリアムヒルのものを使った。
■ドバイゴールデンシャヒーン(G1)ダート1200m 前哨戦、3月4日マハブアルシマール(G3)ダート1200mで7着に敗れた日本馬ディオスコリダーはブービー人気でオッズ51.0倍。完全に圏外だろう。 ただし、この前哨戦を勝ったモラウィジは13.0倍で6番人気になっている。1番人気はBCスプリント2着の米国馬マインドユアビスケッツで4.0倍。前走はガルフストリームパーク・スプリントS1500m(G3)2着。前前走はマリブS1400m(G1)1着で、そのときの2着がゴドルフィンマイルで1番人気になっているシャープアステカだ。
上位人気は次の通り。 マインドユアビスケッツ:4.00 セントジョーベイ:4.50 クールカウボーイ:9.00 インペリアルヒント:9.00 レイナルドザウィザード:9.00 モラウィジ:13.00 ムアラブ:13.00 ダンドネル:17.00 ノットリスニントゥーミー:17.00 狙いは前哨戦のマハブアルシマール2着のクールカウボーイ9.0倍だろう。この馬はメイダン競馬場専用馬で、もう10戦ほどメイダンで走り、堅実に着に来ている。また香港のスプリント馬ノットリスニントゥーミー17.0倍も、人気がなく狙い目だ。
■アルクオーツスプリント(G1)芝直線1200m 上位人気は次の通り。 アーティジャール:3.00 リマト:3.50 ジャングルキャット:8.00 バカラ:11.00 アメイジングキッド:11.00 ファイナルヴェンチャー:21.00 1番人気の地元馬アーティジャール(Ertijaal)はメイダン競馬場の芝直線1000m戦は、このところ6戦5勝2着1回である。2番人気のリマトは英国馬で昨年のBCマイル1600mは6着に負けたが、欧州の短距離G1では好成績を残している。BCマイル前のフォレ賞(G1)は1着だ。この2頭の一騎打ちにならないとは思うが、どうか? 伏兵は多い。
■UAEダービー(G2)ダート1900m※発走時刻:日本時間25日22時45分 G2だが、ケンタッキーダービーへ向けたポイント指定競走に指定されているレース。日本からは、エピカリス、アディラートの2頭が出る。エピカリスはデビューからダートで4連勝。3戦目の北海道2歳優駿では2着に2秒4の大差をつけて優勝している。それが評価されたのか、なんと2番人気で7.0倍。一方のアディラートは、10番人気で34.0倍だ。 1番人気は地元UAE馬のサンダースノーで、2.37倍。昨年10月の仏2歳クリテリウム国際(G1)を制し、2月のUAE2000ギニーも優勝。馬主ゴドルフィン、騎手スミヨン。鉄板の1番人気となっている。 以下、上位人気オッズ。(このオッズは「sportsbet.com」) サンダースノー:2.37 マスタープラン:6.50 エピカリス:7.00 ランカスターボマー:8.00 ファウリー:9.00 スピリットオブバロー:11.00 コスモチャリー:13.00 ただ、UAEダービーは荒れる傾向が強いので、ここはオッズ41.0倍の2頭、ビージャージー(Bee Jersey)、ヒーランズアウェイ(He Runs Away)が狙い目である。もちろん、日本馬エピカリスも買える。
■ドバイゴールドカップ(G2)芝3200m 上位人気のオッズは次の通り。 ヴァジラバド:3.00 ビューティフルロマンス:6.00 ビッグオレンジ:8.00 ハートブレークシティー:9.00 クエストフォーモア:9.00 シェイクザイェドロード:11.00 キングフィッシャー:15.00 ここは、5番人気のアイルランド調教馬クエストフォーモア(Quest For More )が狙い目だ。昨年10月のブリティッシュチャンピオンズ・ロングディスタンスカップ(G2)3600mの2着以来の休み明けだが、スタミナは十分、昨年のシャンティイのカドラン賞(G1)芝4100mの勝ち馬だ。 1番人気のフランス調教馬ヴァジラバドは、欧州きっての長距離馬で、去年のこのレースの勝ち馬だ。ただ、前哨戦ナドアルシバトロフィー芝2810m(G3)では2着だった。2番人気ゴドルフィンの英国調教馬ビューティフルロマンスは、休み明けで、前哨戦ナドアルシバトロフィーでヴァジラバドを破って勝っている。
■ゴドルフィンマイル(G2)ダート1600m カフジテイクが出走する。昨年秋から力をつけ根岸Sで重賞初Vを果たしたが、フェブラリーSは3着に終わった。追い込み馬だけに、届かない可能性が強い。オッズは11.0倍で4番人気だ。 1番人気の米国馬シャープアステカは、サンタアニタのマリブS1400m(G1)2着後、ガルフストリームパーク・ハンディキャップ1600m(G2)を勝っての参戦だ。しかし、2番人気のノースアメリカ(North America)の方が魅力的。英国生まれなのにこの名前で、デビュー後なんと6連敗、1年間休んでドバイに来ると、ダートでいきなり8馬身差勝ち。その後2連勝して、2月のメイダンのG3ファイアーブレイクステークス(ダート1600m)で、重賞初挑戦で7馬身差の逃げ切り勝ち。ここも全力で逃げるだろう。ここから勝負だ。 なお、このオッズは「sportsbet.com」のもの シャープアステカ: 2.75 ノースアメリカ : 3.00 ヘビーメタル : 7.00 カフジテイク : 11.00 ギフテッドマスター : 11.00 ルバーナディン :17.00 セカンドサマー : 17.00 ストルマーダル: 21.00 イライジャ : 26.00 ロス : 34.00 トリプルナイン : 34.00 ファイッツジェラルド : 41.00
■ドバイターフ(G1)/芝1800m ※発走時刻:日本時間26日0時30分 リアルスティール、ヴィブロスが出走する。リアルスティールは9.0倍で4番人気。ヴィブロスは17.0倍で7番人気。1番人気はフランス馬ザラクで3.5倍。2番人気は地元UAE馬リブチェスター4.0倍。 ここは抜けた馬がいないので、展開次第。なにを買ってもいいレースと言える。もっとも抜けた馬を買っても意味はないが。 ザラク:3.50 リブチェスター:4.00 ムタカイエフ:5.00 リアルスティール:9.00 デコレイテッドナイト:11.00 フォークスウッド:15.00 ヴィブロス:17.00 プロミシングラン:21.00 ヴェリースペシャル:26.00 1番人気のフランスの4歳馬ザラクは、母が7戦無敗で凱旋門賞を制した2008年の欧州年度代表馬ザルカヴァ、父はジャックルマロワ賞、アイリッシュ2000ギニーなどG1を3勝したドバウィという超良血馬。昨年のフランスダービー(G1)2着、今年2月の前哨戦ドバイミレニアムS(G3)で重賞初勝利を挙げている。 2番人気の地元馬リブチェスターは、昨年のジャックルマロワ賞(G1)を制し、クイーンエリザベス2世S(G1)で2着、サセックスS(G1)3着と、欧州の主要マイルG1で好走を続けてきた。 ただ、この2頭を買うなら、3月5日の前哨戦メイダンのG1ジュベルハッタ(芝1800m)を勝ったデコレイテッドナイト(Decorated Knight)を買う方がいいかもしれない。前走ウインターダービートライアルS(G外)に続き3連勝でG1初制覇だから勢いがある。
■ドバイシーマクラシック(G1)/芝2410m ※発走時刻:日本時間26日1時05分 サウンズオブアース1頭のみ出走。13.0倍で6番人気。8頭立てだから、オッズ的には通用していない。なぜなら、強敵ばかりなので、日本でのG1勝ちがなく、昨年のJC2着では無理と思われているからだ。 しかし、3番人気の2015年の愛ダービー馬ジャックホブスよりは強いだろう。しかも、この馬は昨年のチャンピオンS(G1)3着以来の休み明けだ。 ただし、1、2番人気は、本当に強い。 1番人気のポストポンドは3.0倍で、2番人気のハイランドリールは5.0倍だが、このオッズはおかしい。両馬とも絶好調なら2倍程度になるはずだ。 去年のこのレースでドゥラメンテを負かしたポストポンドは、1番人気に支持された凱旋門賞芝2400m(G1)こそ5着に敗れたが、ここまでG1通算4勝している。ただ、今年の初戦となったシーマクラシックの前哨戦、3月4日のドバイシティオブゴールド芝2410m(G2)で、プライズマネー(ここでの4番人気)のまさかの2着。クビ差負けだが、これが嫌われた。 2番人気、昨秋の凱旋門賞芝2400m(G1)2着でブリーダーズカップ・ターフ芝2400m(G1)1着馬ハイランドリールは、香港ヴァーズ芝2400m(G1)でサトノクラウンに負けて以来の競馬。これも嫌われたようだ。 ただし、こういうときは得てして2頭とも来るものだ。 ポストポンド:3.50 ハイランドリール:5.00 ジャックホブス:6.00 プライズマネー:7.00 エモーションレス:13.00 サウンズオブアース:13.00 ショパン:17.00 ディランマウス:21.00
■ドバイワールドカップ/ダート2000m *発走時刻:日本時間26日1時45分 日本馬はアウォーディー(武豊)、アポロケンタッキー(C・ルメール)、ゴールドドリーム(J・モレイラ)、ラニの4頭が参戦するが、可能性があるのはゴールドドリームだろう。41.0倍12番人気と日本馬の中ではラニを除く最低評価だが、今年のフェブラリーSを勝って勢いがある。 以下、出走予定馬のオッズ。 アロゲート 1.40 ムブタヒージ 8.00 ホッパーチュニティ 11.00 ガンライナー 11.00 シークレットウェポン 17.00 ボルシア・ドルトムント 21.00 アポロケンタッキー 26.00 マーケットラリー 26.00 スペシャルファイター 26.00 ロングリバー 34.00 セカンドサマー 34.00 アウォーディー 41.00 フリアクルザダ 41.00 ゴールドドリーム 41.00 ムーブアップ 51.00 ラニ 51.00 1番人気の米国馬アロゲート(Arrogate)は、なんと1.4倍。デビューが遅れたため3冠には出走しなかったが、デビュー戦で3着に敗れただけで、現在6連勝中の通算7戦6勝。昨秋のBCクラシック、ダート2000m(G1)では、最強馬カリフォルニアクロームを一騎打ちの末に撃破。2016年度のNo.1ホースとなった。そして、今年初戦のペガサスワールドカップ、ダート1800m(G1)でも、カリフォルニアクロームが9着に沈む中、2着馬に4馬身以上の大差で楽勝。ここでは、負ける要素が見当たらない。 2番人気のムブタヒージは昨年の2着馬、3番人気のガンランナーはケンタッキーダービー、ダート2000m(G1)3着馬、4番人気のホッパーチュニティは昨年の3着馬とうわけで、人気通りの決着が予想されている。 この4頭に、日本馬、昨年のJBCクラシックの勝ち馬アウォーディー、東京大賞典の勝ち馬アポロケンタッキーと前記したたゴールドドリームがどこまで通用するかだが、ほぼ無理だろう。買うなら、前哨戦のアルマクトゥームチャレンジラウンド3、ダート2000m(G1)を勝った地元馬ロングリバーかもしれない。この馬は不思議なことに人気がない。7歳馬のせいだろうかか。なお、このレースでラニは6着惨敗している。 |