17/03/23●アマゾンが取次を中抜きの「直取引」拡大へ |
3月22日の日経新聞の夕刊が「アマゾン、本を直接集配 発売日に消費者へ 取次・書店介さず」という記事を載せた。それによると、アマゾンは独自で出版社の倉庫から本や雑誌を集荷して、沖縄を除く全国で発売日当日に消費者の自宅に届けるサービスを今秋までに始めるという。このサービスの拠点になるのが、1月に設立された「アマゾン納品センター」(埼玉県所沢市)だという。 このサービスにはすでにKADOKAWAなどが参加しているが、今後、どれだけの版元が参加するかは、現在、交渉中のようだ。これまで、中小版元は自ら入荷させる必要があったが、それがアマゾンが集荷してくれるというのだから、参加しやスクなる。ただ、大手は取次との関係からどう判断するかわからない。 もし、参加出版社が多ければ、トーハン、日販などの取次は中抜きされるわけで、大きなダメージとなり、出版流通そのものがアマゾン中心になっていくのは間違いない。取次はもとより、中小書店の売上も落ちるだろう。 版元もアマゾンとの直取引となれば、紙と電子を同時製作して、新しいサプライチェーンに最適化することが求められる。やがて、返本という制度(委託販売)も破壊されるだろう。
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