17/06/02●NYタイムズはもはや新聞ではない。リストラでわかったデジタルシフトの本格化! |
かねてから言われていたNYTのリストラ(早期退職)が本格着手されると米メディアが伝え、5月31日に朝日新聞がそれを記事にした。 それらを見ると、今回のリストラ対象のメインターゲットはデスクや編集者(日本で言うところの整理部員)で、それに伴い、パブリック・エディター(オンブズパーソン)職も廃止するという。 パブリック・エディターというのは、2003年に発覚したジェイソン・ブレア事件(盗用・捏造スキャンダル)の反省から生まれた制度。いわば、記事の社内監視係だが、アーサー・サルツバーガー・ジュニア社主によると、「いまやSNSやネット上の読者がより用心深く強力な監視役になった」というので、必要ないということらしい。 また、主に編集者をリストラするが、逆に現場に行き記事を書く記者は100人程度募集するという。つまり、今回のリストラは、業績不振によるものではなく、NYTの戦略転換の意味合いが強いのだ。 NYTが昨年のトランプ登場以来、デジタル版の読者を急激に増やしていることは、もう周知の事実だ。なんと、NYTは電子版の有料契約数が今年3月までの1年間で65%も増え、191万件に達している。 これは紙の不振による広告収入の落ち込みを補填するどころか、十分に採算が取れ、デジタルメディアとしてやっていけるレベルだ。つまり、NYTはもはや新聞ではなく、デジタルメディアに完全移行するということが鮮明になったと言っていいだろう。 |