18/12/03●完全に「危険水域」に突入した週刊誌、大幅な部数減が続く |
日本ABC協会の2018年の上半期の「雑誌販売部数」が公表され、業界紙『文化通信』などで特集され、さらに『PRESIDENT』では、元木昌彦氏の『文春砲も苦戦「売れない週刊誌」の断末魔』という記事が出た。 正直、ここまで部数が落ちているとは、かつて週刊誌に携わってきた者としては悲哀を感じざるをえない。 まず、雑誌全体から見ると、販売部数は週刊誌34誌が前年同期比9.2%減、月刊誌115誌が10.0%減、合計で9.7%減。前期比、前年同比でともにプラスだったのはたったの15誌で、そのうちの6誌は『ハルメク』(ハルメク)などの女性誌という惨状だ。
では、個々の週刊誌はどうか? 首位は『週刊文春』で33万5656部(前年同期比90.13%)。2位は『週刊新潮』で25万1403部(前年同期比101.64%)3位は『週刊ポスト』で21万1336部(前年同期比97.24%)。4位が『週刊現代』で20万9025部(前年同期比79.15%)。『文春』と『週刊現代』の落ち込みのひどさは、まさに地滑り的である。どう見ても20万部を割れば、赤字を垂れ流すだけになり、存続は「社のメンツ」に以外ではなくなる。まさに危険水域突入で、来年は、「休刊」せざるをえない週刊誌が出るのは間違いないだろう。
ついでにほかの週刊誌も見ていくと、『フライデー』は9万2112(前年同期比73.06%)、『週刊プレイボーイ』は7万9675(前年同期比は92.01%)、『週刊朝日』は7万7451部(前年同期比は94.26%)、『サンデー毎日』は4万3607部(同期比は86.25%)と、もはや部数からは「ミニメディア」で、「マスコミ」とは言えない。 もはや「紙」というフォーマットも、「週刊」というタームも、現代人のライフスタイルに合致していない。とはいえ、週刊誌ジャーナリズム(スキャンダル、ライフスタイル情報)は必要だ、どうやって、このジャーナリズムをネットなどで展開していくか、真剣に考えるべきだ。 |