19/02/03●「再販」「委託販売」制度は崩壊か?アマゾンが「買い切り」制に乗り出すことに! |
2月2日付の日経が報じたように、アマゾンジャパンが本や雑誌を返品しない「買い切り」制度を実施すると発表したことが、波紋を広げている。再販制度に基づき一定期間は定価販売するが、売れ残った場合は出版社と協議して値下げも検討するというので、これによって事実上「再販制度」および「委託販売」は崩れることになる。 要するに本や雑誌も「卸売販売」するということだから、出版社は、最終的に価格決定権を失う。価格は市場が決めるのが、自由市場の原則だから、この流れは当然だ。現在の再販制度は、あまりに非効率すぎ、大量に破棄しなければならないという資源の無駄でもあるからだ。 出版不況により返品率は年々上昇し、いまや4割は返品されているので、このアマゾンの新方針を歓迎する向きもある。しかし、これによる弊害も出てくる。つまり、売れ残るような本ははなから市場から排除されるようになるから、今後、中小出版は経営が厳しくなるだろうし、値下げ競争により中小書店の経営も厳しくなる。 いずれにせよ、これは大きなターニングポイントで、電子市場とともに紙市場も「自由競争」に突入することになる。はたして、今後、出版形態はどのように変わっていくのだろうか? |