2019年9月10日●新著『米中冷戦 中国必敗の結末』が9月末に発売! |
今回は、激化する「米中冷戦」について、大局的な見地から書きました。これが歴史的な大転換であり、今後、世界は「米中冷戦」を軸にして動いていくということを、はっきりと書きました。 本書の「はじめに」でも書きましたが、歴史のターニングポイントというのは、意外に気づかないものです。 そのため、「米中冷戦」を、いまだに本当に貿易戦争、経済戦争だと思っている人がいます。また、この米中の争いは、ドナルド・トランプ米大統領により突然始まったと思っている人も多いようです。
しかし、これはアメリカと中国による「新冷戦」(New Cold War)であり、トランプ政権誕生以前から用意されてきたものです。そして、その本質は世界の「覇権」(hegemony)を巡る米中両国の争いなのです。つまり、世界はかっての米ソ冷戦のように、アメリカと中国が激しく対立抗争する「米中冷戦」(U.S.-China Cold War)に突入したわけです。
ただし、ここまでは私が指摘しなくても、数多くの指摘あります。しかし、その先に関してはあまり指摘がありません。そこで、すでにこの戦争の結末はわかっている、中国の敗戦は必至であるとしたのが、本書の内容です。
本書では、どのように中国が敗戦していくのかを、現在のファーウェイをめぐる技術覇権争いから、経済、軍事、宇宙まで広げて展望し、さらに、歴史を振り返って考察しています。歴史的に言えば、覇権挑戦者である中国がアメリカから覇権を奪取し、次の世界覇権国なることはありえません。この流れは、次の米大統領が、トランプの続投であろうと、また新大統領であろうと変わりません。
中国の習近平(シー・チーピン)政権は、これまで「中国の夢」(中華民族の偉大なる復興=建国100年の2049年までにアメリカを抜いて世界一の国家になる)の実現を目指して、「一帯一路」や「中国製造2025」などの政策を進めてきました。しかし、この「中国の夢」は実現しないのです。中国は世界経済からデカップリングされ、今後、没落していきます。 よって、これまで多くの経済専門家や研究機関が確実視してきたGDPの米中逆転も実現しません。さらに「世界は多極化する」といまだに言っている学者やアナリストいますが、そんな世界はやってきません。 今後の世界は、中国の敗戦により、再びアメリカの「1極支配体制」が強化されていきます。そして、日本を含め世界各国は、ローマ帝国の属州のようなかたちで、パクスローマと同じようなパクスアメリカーナのなかで生きていくことになります。
以下が、本書の目次です。
はじめに 第1章用意されてきた対中戦争 第2章中国の5G独占を阻止せよ! 第3章ファーウェイで分断される世界 第4章テレスクリーン独裁国家の完成 第5章中華圏膨張「一帯一路」の罠 第6章戦場は海洋から宇宙へ 第7章アメリカに殺到する中国人 第8章中国の「失われる10年」 第9章ドルvs.人民元:中国金融敗戦 第10章ローマ史と中国史が暗示する未来 おわりに
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