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Home 仕事の記録 2020年5月12日●「週刊朝日」の『最後の読書』欄に寄稿

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2020年5月12日●「週刊朝日」の『最後の読書』欄に寄稿

 原稿の依頼を受けたのが、3月末。昭和大学横浜市北部病院に入院中で、冠動脈バイパス手術の直前だった。しかも、「最後の読書」という欄だったから、「こんなときに?」とかなり驚いた。ただ、手術は南淵明宏医師にお願いしたので、一片の不安もなく、退院後のことを漠然と考えていた。ただし、世の中は、新型コロナウイルスの感染蔓延で騒然としていた。

 手術は3月30日。その後、順調に回復して4月11日に退院した。緊急事態宣言が出され、さらに世の中は騒然としていた。そんななか、原稿を書いた。「最後の読書」と聞かれてみると、意外に答えが出ないものだと、つくづく思った。欲張りだから、あれもこれもと考えてしまう。多くの作家は、自分の人生を導いてくれて1冊のようなものを持っているが、私にはそれがなかった。深く感動した本はいっぱいある。ただ、移り気だから、すぐ次の本に行ってしまう。

 とはいえ、何度も読み返す本はある。不思議なことに、それは大人になって読んだ本ではなく、子供のころから青春 の真っ只中にかけて読んだ本だ。

 *以下、寄稿した「最後の読書」を、ここに収録しておきたい。 

 

 週刊朝日『最後の読者』(2020年5月22日号)『最後の読書』

 この欄の原稿依頼のメールをもらったとき、私は入院中で心臓の手術を控えていた。そのため、「最後の読書」というテーマには本当に驚いた。おそらくそれは、病院のベッドですることになるかもしれないからだ。

 心疾患がわかったのは、3月半ばに受けた心臓カテーテル検査。自覚症状がない念のための検査だったが、結果は最悪で、冠動脈が3本とも詰まっていた。私は即座に懇意にしてきた富家孝医師を通して、心臓外科医ではこの人しかいないという南淵明宏氏に手術を依頼した。

 

 こうして私は、冠動脈バイパス手術を受けた。それから4日間、集中治療室で過ごした。ドレイン、点滴のチューブ、酸素吸入器などに繋がれて生かされていると、現代医学のすごさを思わずにいられなかった。左右両方の脚が約30センチ切られ、そこから静脈が取り出されて冠動脈に移植された。手術後、家内は、心筋梗塞の跡があったと南渕氏から聞かされたという。自覚症状がなかったとはいえ、すでに心筋梗塞を起こしていて、そのときは他の血管により虚血が回避されていたようだ。

  じつは、入院前に本を2冊だけ持ち込み、回復したらベッドで読もうと思っていた。その本とは、『物語 フィンランドの歴史』(石野裕子)と、『大草原の小さな家』(ローラ・インガルス・ワイルダー)だ。前者は一人娘が昨年フィンランド人と結婚したため購入し、読み終えていなかった。

 『大草原の小さな家』は子供の頃から、もう半世紀以上にわたって繰り返し読んできた本である。人気になったテレビドラマシリーズも何回も見た。西部開拓時代のアメリカ、少女ローラの成長物語だが、何度読んでも何回見ても心が洗われる。児童書ではないかと言われるが、だからこそいいのだ。私は間違いなくこの本を「最後の読書」に選ぶ。

 ただ、欲張りなので、あと2冊追加したい。父は小説家で、私は主にノンフィクションを書いてきたが、本当は詩人になりたかった。そう青春時代に思わせたのが『萱草に寄す』(立原道造)だ。このなかの「のちのおもいに」には、そらんじている。もう1冊は『海街diary』(吉田秋生)。これは漫画だが、私が育った鎌倉の街を、これほど情緒豊かに描いた作品はない。 

 

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