[419]猛暑到来。インバウンドは戻ったが中国人は戻らない |
2023年 8月 01日(火曜日) 22:10 |
8月になった。昨夜と今日の夕方は激しい雷雨があったが、ここのところずっと「猛暑日」(最高気温35℃以上)が続いている。なんと7月は猛暑日を10日以上も記録し、こんなことは過去になかったと、どこの局も大騒ぎしている。ワイドショーは、連日、全国各地からの「猛暑」の中継と「熱中症に注意」の連呼で、見るに耐えない。 それなのに、地球温暖化に対しての警告・警鐘報道はほとんどない。暑い、暑いと言っているだけで、なぜか危機感が薄い。このまま周回遅れの温暖化対策しかしないでいたら、日本経済はどんどん落ち込んでいくだけだ。 ところで、ここのところ2回、新宿に行った。そこでつくづく感じたのは、もはや歌舞伎町は日本ではないということ。漢字の看板、極彩色、雑踏、街の音、それが混ざり合った感じは、中国の都市に近い。上海、南京の街中を歩いているのと同じ感覚になった。 ただ、猛暑、真夏日でムッとする。蒸釜と言われる南京より暑い。 歌舞伎町は外国人観光客がいっぱいだ。街を歩く人の3分の1は外国人だ。ただし、その中に中国人観光客はいない。コロナ禍が明けたのに、インバウンドの主役、中国人は戻って来なかったのだ。新宿はもとより、銀座、浅草でもその姿はほとんどない。横浜の中華街、元町、みなとみらいも同じだ。中国語は聞超えてくるが、話しているのは台湾人か香港人。大陸からの中国人は、ほとんど見かけない。 日本政府観光局(JNTO)は、毎月、訪日外国人客数を発表している。それによると、2023年1~5月累計の訪日中国人客数は38万6100人。昨年に比べれば増えているが、コロナ禍前に比べたら圧倒的に少ない。これは、コロナ禍前のなんと約9割減である。 韓国からが258万3400人、台湾からが138万1600人だから、比較にならない少なさだ。 訪日外国人の国別順位を見ると、韓国がダントツに多く、2位は台湾、3位は香港で、4位以下はアメリカ、タイ、中国、ベトナムとなっている。 韓国は、コロナ禍前の約8割、台湾は7割ほどまで回復しているうえ、コロナ禍前よりも訪日客が増えている国もある。 それは、ベトナム、シンガポール、ドバイなとの中東諸国、アメリカである。 コロナ禍前の2019年、日本には過去最多の約959万人の中国人がやって来た。その数は、訪日外国人客全体の3割以上を占めていた。また、旅行消費額は1兆7704億円と全体の約37%で、1人当たりの買い物の額は国・地域別で唯一、10万円を超えていた。これは、ほかの国・地域からの観光客の平均の2倍以上だった。 つまり、日本のインバンドを支えていたのは中国人と、彼らの「爆買い」だったのである。それが、コロナ規制が撤廃され、行き来がほぼ自由になったというのに、戻ってこない。 その理由はいくつかある。まず、中国政府が日本への観光旅行を制限していること。団体旅行に関しては、アメリカ、日本を解禁していない。ただ、それよりも大きいのは、中国経済が失速していることだろう。消費は回復せず、成長率も低迷している。 今日は、台風5号の余波で、北京が豪雨に見舞われ、洪水、浸水などの大被害が出ていることが報道された。 地球環境も経済も悪化の一途をたどっている。最近は、本当にそう思うほかなくなっている。あまりに暑くて、今年は蝉もあまり鳴かない。 |
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