[058]なにも期待できない管政権。政策バラバラ。政治家もメディアも、「すでに富裕層は日本を見捨て、この国は空洞化している」という現実をわかっていないのだろうか? |
2010年 6月 26日(土曜日) 02:29 |
菅直人首相が誕生してはや3週間が過ぎた。民主党は一時的に支持率を回復させ、管首相は「第三の道」で、「強い経済、強い財政、強い社会保障」を一体化させて「最小不幸社会」をつくると言っている。参議院選挙は、7月11日に決まり、世の中は選挙モードに突入した。 管政権誕生を伝える毎日新聞と、民主党のポスター 絵空事に過ぎない民主党の新成長戦略に唖然 民主党の新成長戦略によると、2020年度までの平均で名目3%・実質2%を上回る経済成長が実現するという。しかし、子ども手当、農家への戸別補償などのバラマキをやりながら、法人税を引き下げ、その反面で消費税を引き上げるとなると、結局は経済成長などできるはずがない。財政再建もやる。福祉もやる。経済成長もするなんてことは、この世界一の借金財政を抱える国でできるわけがないのだ。暮らしをよくするには、いまより多く稼ぐか、支出を減らす(無駄を削る)か2通りしかない。そのどちらも中途半端にしながら、いま以上に生活(福祉)を充実させられるわけがない。
それなのに、朝日の世論調査では、日本の将来のあり方として、 経済的豊かさよりも「格差が小さい国」を求める意見が7割を占めている。これは、「経済的に豊かだが格差が大きい国」と「豊かさはさほどでないが格差の小さい国」のどちらを目指すかを聞いた結果で、なんと「格差が小さい国」が73%で、「豊かな国」の17%を圧倒してしまった。 国の借金はいくらあってもかまわない。国は借金を返さなくていいという、特別なルールでもあるというのだろうか? ギリシア問題で明らかなように、国債価格は国家財政の信用で成り立っている。たとえ国といえども、借金が返せないと見られたら、国債は売り浴びせられる。「でも、日本国債の買い手は国内の機関投資家。外国が持っているわけではないから大丈夫」と言うのはウソである。 管首相は、財務省にやり込められて消費税アップを言い出したとは思えない。正直、このままでは財政が持たないと、ナイーブに思ってしまったのだろう。しかし、日本の現状は、国債発行額(将来の増税)から試算すれば、すでに消費税が20%以上になっているのと同じである。
それにしてもなぜ、日本人は格差を嫌うのだろうか? いまのメディアのアンケートの仕方にも問題がある。たとえば、「格差がひらくことはいいことだと思いますか?」と質問すれば、誰もが「よくない」と答えるに決まっている。格差とは「貧富の差」、つまり、金持ちと貧乏人の差のことであり、誰だって貧乏人にはなりたくないから、「格差はよくない」と答えるのは当たり前だからである。
単利では、金利2%で100万円預けたら、1年後には2万円の利息がついて102万円になる。そして2年目の利息も2万円だから、2年後の初年度からの元本と利息の合計は104万円となる。しかし、複利では毎年元本とそれに付いた利息も含めた金額に利息がつく。 メリルリンチ(Merrill Lynch)が調査したところによると、日本では100万ドル以上の金融資産を持つ人(つまり「ミリオネアーmillionaire」)は、約134万人ということになっている。このなかにはさらに巨額の資産を持つ人も含まれるが、これらの富裕層は、とっくに日本を見限っている。 ただ、こんなことより重要なのは、いまや時代がクラウドコンピューティングによる情報革命の第2段階に突入していることだ。もはや公共投資はコンクリートなどに向けてはいけない。今後、情報がグーグルやマイクロソフトなどのアメリカ勢にすべて握られ、全産業と人類がその情報インフラなしでは暮らせなくなる社会が出現しようとしているのだから、日本はIT安全保障を考え、官民一体のクラウド・サービスができるインフラを整えるべきだろう。 私が格差是正とともに本当におかしいと思うのは、地方経済を救えという主張だ。このままでは地方はどんどん貧しくなる。それがいけないというのだ。しかし、産業や競争力がなくなったところはさびれるのは当然で、それを維持しようとすればするほどおカネがかかる。限界集落など、どんどんつぶしてしまえばいいではないか。そんな不便なところに住んで、ほかと同じような暮らしをさせてくれという主張する人は切り捨てるべきだ。さっさと引っ越せばいいだろう。 |
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