[NEWS]『円安亡国』(文春新書)発売 印刷

721日、私の新著『円安亡国』(文春新書、750円+税)が発売されます。5月発売の『永久円安』(ビジネス社)に続く「円安」シリーズ第2弾とも言うべき本ですが、サブタイトルに「ドルで見る日本経済の真実」とあるように、アベノミクスで復活したとされる日本経済をドルによって徹底的に検証しています。

 言うまでもなくドルは、アメリカの通貨というだけではなく、世界の「基軸通貨」です。つまり、世界中で通用する唯一のおカネであり、価値の尺度です 

 したがって、ドルで見なければ日本経済の本当の姿は見えてきません。 

 

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■アベノミクスは失敗、円安は続く

 

 結論から言うと、ドルで見たアベノミクスは失敗です。

円安と株価上昇はアベノミクスの成果とされていますが、ドルで見た場合、それはまったくのフェイクストーリーにすぎないからです。

 たとえば、日本のGDPは、2012年は約474兆円でしたが、ドルに換算すると約59000億ドルです。じつは、この59000億ドルというのは、日本が記録したGDPの過去最高額なのですが、アベノミクス開始から2年後、2014年の日本のGDPは約489兆円、ドルでは約46000億ドルです。円では微増しましたが、ドルでは約13000億ドルも吹き飛んでしまっています。

 本書で私は、現在の円安は、経済学的な「相対的購買力平価」「金利差」「量的緩和」などで説明する範囲を超えた日本経済の衰退、つまり、国力の低下が基底にあると論じています。だから、短期的に円高になることはあっても、長期的には円安が進んでいくと、明言しています

 この先、円は1ドル150円、200円となる可能性もあります。その意味で「円が安全資産」などと言っているメディアは常軌を逸しているとしか思えません。

 

■「円安亡国」の目次紹介

 

 本書の目次は次のようになっています。第1章から第4章までは、図表を多用して、ドルで見た日本経済のリアルな姿を描き出しています。そして、第5章からは、ドルと円の関係について歴史的に考察し、円がドルの補助的通貨にすぎないことを述べ、中国人民元の動向を含め、今後の円安のなかで、私たちがどうしていくべきかを述べています。

 

     はじめに

第1章        国力衰退による円安

第2章        株価急上昇の正体

第3章        賃金も富裕層も激減

第4章        GDPは縮小、地価は下落

第5章        基軸通貨とはなにか?

第6章        円とドルの攻防

第7章        中国人民元の挑戦

第8章        円安貧乏とドルシフト

     あとがき