[246]アメリカ一人勝ちの時代に突入。この先の日本は「円高株安」から「円安株安」に転換していく 印刷
2016年 2月 27日(土曜日) 14:59

年明けからの世界経済の混乱を見てきて、悲観論が大勢を占めるようになったいま、直感的に思うことがある。それは、今後、アメリカが一人勝ちしていくだろうということだ。

 すでにアメリカは中東を見放した。中東の石油が必要なくなったからだ。それによってサウジとイランは国交を断絶し、イスラム国(IS)は生き延びた。欧州は昨年、アメリカを裏切り、中国傾斜を進めてAIIBに参加。さらにIMFはラガルト専務理事の中国擦り寄りによって、人民元をSDR入りまでさせてしまった。

 

 しかし、原油安により、英国からは中東などからの投資マネーが引きあげられ、EU(事実上のドイツ帝国)は難民流入などで混乱を極めている。ロシアは原油安により、国家財政が破綻寸前だ。

 ここに中国の減速が加速しているのだから、アメリカ以外は混乱していることになる。つまり、アメリカだけは無傷なのだ。

 大統領選を裏でサポートするウォール街は、今後どう出るだろうか? トランプもヒラリーもウォール街の味方だ。アメリカの問題は、この3月末までにどれだけのシェールオイル企業が潰れるかだけだろう。

 

 こう見ると、デジタルエコノミーと石油を支配できるアメリカ経済は揺るぎない。これまでのアメリカは石油を支配するため、中東など世界中に介入してきたが、その負担はシェール革命でなくなった。ドル基軸通貨体制は、石油によって裏付けされていたが、その石油は自国の石油で担保できる。こうなると、ドル安に持って行く理由はほとんど見当たらない。だから、QEも手仕舞いし金利も上げた。

 結局、ドル基軸体制は強化される。

 

 そんななか、日銀はマイナス金利まで導入してまだ緩和を続けている。円の価値は毀損され、予想外の「株安円高」になったが、これが続くとは思えない。ヘッジファンドなどの外国勢のオモチャになっている日本株と円は、今後、違うアルゴリズムで動くと思われる。つまり、「株安円高」局面は終わり、「株安円安」のダブル安になっていくのではないだろうか?

 以上、いま、直感的に思うことである。