[066]宝島社が強気で女性誌2誌創刊!「大丈夫なのか?」の声も 印刷

2010年9月09日(金曜日)21:05

この出版不況下、付録付き女性誌で絶好調。女性誌の分野では「1人勝ち」とも言える宝島社から、またしても女性誌2誌が創刊される。”ツヤッと輝く40代女性力”というキャッチの「GROW(グロー)」と”ふわっとやさしいおしゃれマガジン”という「リンネル」だ。いずれも月刊誌で、10月下旬から発売される。

 業界では「この女性誌過剰時代に、しかも雑誌広告が落ち込むなかで大丈夫なのか?」という声が強いが、宝島社はこれまでの成功パターンから強気で、このほど関係者を集めたセミナーまで開かれた。
   9/7(火)19:00-21:00に、六本木アカデミーヒルズで行われたセミナーでは、宝島社広報課長の桜田圭子さんが、同社の女性誌のマーケティング戦略を、パワポ資料を基に語った。
   そこにある部数、「Sweet」が115万部なんていうのは、刷り部数としてもとんでもない数字で、それは割り引いて聞くとしても、ここで語られた内容は刺激的だった。

 

  
 
   ●編集付録ではなく、ブランドアイテムである
   ●雑誌のライバルは雑誌ではない。⇒あくまで雑誌を読まない人がターゲット。
   ——というのは、マーケティングとしてはそのとおりだろう。雑誌を読まない人がターゲットでなければ、ここの雑誌は成り立たない。
   これまでの編集者は、世の中には雑誌を読む読者がいて、そういう読者は雑誌で最新情報やトレンドを欲しているだろうという想定して雑誌作りをしてきた。
   しかし、そんな層はネットメディアなどでとっくに最新情報やトレンドを仕入れていて、いまやファッション誌は、トレンドアウトの読者しか集まってきていない。そういう層には、こうした戦略は有効だと思う。

   したがって、
   ●webについては現状PRツールとしか考えておらず、電子書籍が活況だが、立地環境がよく非常に優れた書店流通を最大限に活用することを考えている。米国で電子書籍が急速に普及しているが、住環境があまりにも違うため日本では同様の状況にはならないと考えている。「打倒!電子書籍!!」
    ——とうのは、当然だ。電子書籍は日本では、ケータイの若い読者がほとんど、そこで売られているBLやTL、そしてケータイ小説は、それまで本屋で本など買ったことがない層が買っている。アメリカとは市場がまったく違うし、そもそも本や雑誌を読まない読者しかそこにはいないのだから、電子書籍や電子雑誌をいくら配信しても、見向きもしないだろう。だから「妥当!電子書籍!!」という必要もないのだが。