[121] マッキンゼーのレポートによると、2020年に中国のGDPは日本の2倍に! 印刷
2012年 3月 21日(水曜日) 00:56

最近、発表されたマッキンゼーの調査レポート「Meet the 2020 Chinese Consumer」は、中国のGDPが2020年までに日本の倍近くになると予測している。去年、GDPで日中逆転が起こったばかりなのに、あと8年でその差が倍になるというのだから、日本人としてはやりきれない。現在、中国経済はスローダウンに入ったが、それでも成長は続いていくというのが、欧米の一般的な見方である。それに対して、日本は「成長が期待できない」というのだ。

  とはいえ、いまや経済を国対国で比較してみても、あまり意味がない。国境に囲まれたある地域が、別のある地域と比較して「豊か」「貧しい」などと言ってもても始まらない。この21世紀は、国境を越えてヒトも企業も動く。国境の中にいる日本人より、世界の中のどこで、どのように日本人が生きていくかのほうがよほど大事だ。

  それに、いずれこの国には財政破綻がやってくる。それが2020年以前なら、8年もかかないうちに中国のGDPは日本の倍になるだろう。

 

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  →Meet the 2020 Chinese Consumer

  中国の2010年から2020年までの年平均成長率は7.9%。日本は1.2%と予測されている。これは、2010年に発表されたゴールドマン・サックスのレポートでも同じだ。ただし、ゴールドマンのほうが悪く、1.0%である。 

  マッキンゼーのレポートの特長のひとつは、中国人1万5000人にインタビューをしていて、消費者動向をまとめていること。これは、なかなか面白い。 中国の1世帯当たりの年間可処分所得は2010年に4149ドルだったが、2020年には8185ドルと約2倍になるという。それに反して、2020年の日本の1世帯当たりの年間可処分所得は2万9714ドルと、まったく伸びない。ただし、それは国境の中にいる日本人の平均だ。

  以下のグラフは、中国を含めた6カ国について、所得階層を4段階に分けて、それぞれの階層の世帯数(単位100万)を示している。日本が各国と最も違う点は、所得が6000ドル以下の最下層が、なんとゼロだということだろう。