G1予想[116]第65回朝日杯フューチュリティS(2013年12月15日) 印刷
2013年 12月 12日(木曜日) 13:25
ベルカントから馬連、馬単、総流し

 

 今年は圧倒的に牝馬が強いので、このメンバーは完全に「二流男子」の集まり。しかも、抜けた馬もいない。2歳牡馬の「暮れのオープン特別」といった感じで、これがG1とは言い難い。

 だから、なにが勝ってもいいし、なにを買ってもいい。

 それなのに、またも人気はつくられている。地方から参戦で東スポ杯2着のプレイアンドリアル、デイリー杯2着のアトムが有力だと、どのメディアも同じような記事を載せている。そんなかで、紅一点、ベルカントも人気になっている。前走のファンタジーSは逃げて楽勝しているうえ、武豊がただ一つ勝っていないG1をこの馬で勝つのではないかと、話題性も十分だ。

 私の場合、こういうケースでは、ふつう、このような馬は買わない。これまで、武豊もほとんど買ってこなかったのだから、真っ先に外す。しかし、今回は買う。その理由は、調教師が角田晃一だからだ。

  

 角田は、武豊より1歳年下で、今年43歳。もう43歳かと、感慨深いものがある。彼がデビューしたのは平成元年。バブル経済のピークの年で、その年43勝した角田はいきなり最多勝利新人騎手になった。天才だと思った。

 以来、私は彼を買い続けた。同期の田中勝春も買い続けた。この2人は、競馬関係者に言わせると「生意気で言うことを聞かない」と、評判だったからだ。

 角田は田中勝春と違って、競馬とはなんの縁もない鳥取県の出身。競馬サークルに知人などいなかった。そんな環境から、自ら騎手になり、先輩の武豊に一泡ふかすレースを繰り返した。

 

 角田は人気薄の馬をよく持ってきては、穴をあけた。もちろん、シスタートウショウ、ノースフライト、フジキセキ、ジャングルポケットなどの名馬でG1を勝った。武豊は後輩の角田を評して、「いつも気がついたら後ろに角田がいる」と言ったことがある。

 ベルカントと武豊は、角田に調教師として初めて重賞制覇をもたらした。この朝日杯を勝てば、角田は晴れてG1調教師になる。現役時代を思うと、こんなコンビが誕生するとは想像もつかなかった。

 ベルカントから馬連、馬単、総流し。少なくともゴール前50メートルまでは先頭だろう。

 

《阪神ジュビナイル回顧》

 レッドリヴェールが勝って一番喜んだのは、五月みどりさんでは。レース前は、なぜか和田アキ子(ホウライアキコ)が話題になっていましたが、この馬は和田アキ子さんとはなんの関係もありません。しかし、レッドリヴェールは旧西川商事(東京サラブレットクラブ)の馬で、代表の西川哲氏(プロゴルファー)のパパは西川幸男氏(新栄プロ社長)、ママは五月みどりさんです。

 思うに、ハープスターとはツキの差ですね。やはり、いちばん強いのはハープスターで、上がり3Fは最速タイ33秒6。外に出せず、馬群のなかを突っ込んだ結果です。というわけで、競馬はいちばん強い馬が勝つわけではないのです。なのに、いちばん強いはどれ?と、予想するは、本当にもうやめましょう。そのうち、体をこわしますよ。

 香港ではロードカナロアが圧勝し引退。結局、今年はロードカナロアの年だった(年度代表馬になるから)ということになるでしょう。あとは、同じく引退するオルフェ―ヴルが来ない(?)有馬記念を待つだけです。今週の朝日杯は同世代女子に見放されたクズ男子レースで、競馬メディア的には盛り上がりませんが、じつは「見る価値十分」です。