G1予想[022]第29回ジャパンカップ(11月29日) 印刷
2009年 11月 27日(金曜日) 20:50
11月27日記

コンデュイット、レッドディザイアで勝負。

絡むのはスクリーンヒーロー、ウオッカ、ネヴァブション

 

 ジャパンカップは今年で29回目を迎えた。日本の国際化が叫ばれていた1980年代からずっと、このG1レースを見てきた私にとっては、数あるG1競争のなかで、もっとも思い出深いレースである。

 それは、国際競走ということで、そのときどきの国際情勢の影響を受けることが多いからだ。ヒト、モノ、カネが国境を超えて激しく動くグローバル時代なのに、日本は依然として鎖国を続けているが、ジャパンカップだけは鎖国日本の対象外である。

 なぜなら、招待競走だからである。

 この時代、遠征費も全額負担などという国際競走があること自体信じられないが、そうしない以上、外国馬が来ないのだから仕方ない。ともかく、毎年、「今年はどんな馬がくるだろうか?」と期待しながら、私はこのレースを見てきた。

  さて、今年は空前の円高である。1ドルが80円台などということは、とんでもないことだ。とすれば、2億5000万円という優勝賞金は、なんと300万ドルに匹敵する。これなら、いつもの年よりいい馬が来てもおかしくないが、外国馬5頭のうち、大物はブリダーズカップを2連覇したコンデュイットConduitだけ。これとて、日本での種牡馬入りが決まっているから、顔見世興行の感が否めず、残りは米英のクズ馬だ。

 それにしても、昔は外国出走馬はバラエティに富んでいた。インドからも、トルコからも来たこともある。香港、アラブ首長国連邦から来るのは、最近の世界情勢を見れば納得がいく。しかし、アオセアニア出走馬がいなくなったのは、明らかに鎖国のせいで、直行便がなくなった影響が大きい。

 もうひとつ、ジャパンカップでわかったのは、東京の芝コースが高速コースで、欧州馬は大物ほど適応できないということだ。だから、近年は、フランスもドイツも来ない。瞬発力勝負で日本馬に競り負けては、種牡馬価値が下がる。キングジョージや凱旋門賞となどとは、明らかに異質のレースがジャパンカップだ。

 だから、何度も書いてきたが、日本の競馬人が日本での最強馬を凱旋門賞に遠征させようとするのがわからない。欧米至上主義を捨て、日本の高速馬場に対応できないスタミナ馬で欧州遠征すればいいではないか。

 

  さて、予想だ。直近の世界情勢を整理すると、

 

・ドル不安から金価格が大幅に上昇。

・欧州もアメリカも、景気は二番底に向かっている。

・ドバイのバブル崩壊、キナールが債務の支払い延期を要請。

・COP15前にCO2削減を各国が表明。アメリカは05年比で17%。

 

 など、波乱の要素がいっぱいある。いずれにせよ、近年の欧州競馬をけん引してきたドバイがコケたのだから、欧州馬はいらない。ただ、コンデュイットは、サンタアニタで勝つのだから、東京で勝てなければ最低のブリダーズカップ馬ということになる。

  ちなみに、コンデュイット(Conduit)は、詳しくは知らないが、金融用語からつけた馬名だろう。つまり、「conduit company」で、トンネル会社であり、「conduit」自体は「管」だから、資金の流れを表すときよく使う。投資家(馬主)が好きそうな馬名だ。

 また、今回の出走は、日本で種牡馬になるとしても、まだ馬主側に権利があるので、勝てば賞金は馬主に入る。

 ジャパンカップが最後のひと稼ぎとしたら、ふさわしい馬名だ。

 

 では、今回は、まともに予想する。

 ここまでの予想記事はすべて、「いかにハズすか」ばかり考えてきたが、今年は、二番底も近いし、暮れにかけてまったくおカネがない。それで、当てにいくことにした。

 つまり、本線は、コンデュイットになる。

 コンデュイットが高速馬場に対応できる外国馬なら、日本馬で“東京ハイウェイ”で力を発揮できるのは、どの馬か? まずは、牝馬のレッドディザイアrとウオッカの2頭。それに、スクリーンヒーローだろう。続いてネヴァブションか。

人気サイドのオウケンブルースリ、リーチザクラウンは、瞬発力に欠ける。ヤマニンキングリーがこれまで死んだふりをしているが、高速ハイウェイだと怖い。ただ、ここまで手が回らない。

 

では、枠順を見てみたい。

 

<1> (1)アサクサキングス   57 岩田

<1> (2)ネヴァブション    57 北村宏

<2> (3)エアシェイディ    57 後藤

<2> (4)エイシンデピュティ  57 戸崎圭

<3> (5)ウオッカ       55 ルメール

<3> (6)レッドディザイア   53 四位

<4> (7)ジャストアズウェル  57 ルパルー

<4> (8)マイネルキッツ    57 松岡

<5> (9)リーチザクラウン   55 武豊

<5>(10)オウケンブルースリ  57 内田

<6>(11)マーシュサイド    57 カステリャーノ

<6>(12)シンティロ      57 モッセ

<7>(13)ヤマニンキングリー  57 柴山

<7>(14)インティライミ    57 スミヨン

<7>(15)インターパテイション 57 コーエン

<8>(16)コンデュイット    57 ムーア

<8>(17)コスモバルク     57 五十嵐冬

<8>(18)スクリーンヒーロー  57 デムーロ

 

 こうなると、ウオッカ、レッドディザイアの牝馬2頭がはいった3枠が怖い。なにしろ、「3枠」=「赤」=「レッド」である。

 私は、3連単、3連複が不得意(というか全然当たらないし、こんな複雑なことでハズすと切れてしまうのであまりやらない)ので、今回は枠連、馬連だけにする。

 となると、当然買い目は、枠連では、3枠、次にコンデュイット、スクリーンヒーローが入った8枠、ネヴァブションの1枠となり、1-3、1-8、3-8に、3-3、8-8の5点でOK。

 馬連は、5頭のからみすべてを買うことにした。