G1予想[027]第27回フェブラリーステークス(2月21日) 印刷
2月18日記

スーニが外枠に入ったら、頭にして4歳馬3頭に馬単流し

 

 北朝鮮では昨年実施したデノミ以降、激しいインフレが起きているといわれる。金正日総書記が68歳の誕生日を迎えた2月16日は、誕生日を祝う祝賀行事が行われたが、その規模は縮小している。この祝賀の様子を映像で見たが、現在開催中のバンクバー冬季五輪の映像と比べてみると、これが同じ地球上で同時に起きていることなのかと思う。

 中国は春節に入り、帰省ラッシュがピークを迎えた。今年も鉄道などで延べ約25億人の大移動が見込まれるというが、異変が起きている。それは、「帰りたくとも帰れない」若者が増えたことで、これを「恐帰族」と呼んでいる。

  中国でも、就職難でフリーターや低賃金労働に都市部で就く大卒者が増えた。こうした若者を中心に、交通費やお年玉などの出費を考えて、帰省に尻込みする傾向が出ているという。ちなみに、お年玉は中国でもある。故郷に帰って、親戚の子供にお年玉をあげられないというのは屈辱的だ。

 

  さて、フェブラリーステークスで、遅いお年玉を狙う向きも多いだろう。ただ、金杯で逃したお年玉を、春節でもう1度なんていうのは、今年の出走馬を見ると無理のようだ。

  いちおうエスポワールシチーが1番人気になるだろうが、それ以外に有力馬が何頭もいる。超激戦模様だからだ。

  とりあえず、これまでの戦いから、論理的に考えてみる。

 

  まず、エスポワールシチーだが、現在はG1を3連勝中で、充実しきっている。しかも、前走のジャパンカップダートの勝利は、自らハナを切って2着に3馬身以上の差をつけているから、この馬を切るわけにはいかない。

 ただし、今回はローレルゲレイロやリーチザクラウンが参戦するので、マイペースの逃げは期待できない。リーチザクラウンは、クラシックでも常に人気になっていたように、素質的にはG1級だから、こちらが逃げてしまったら、どうなるのか? また、ローレルゲレイロも逃げてG1を2勝しているので、てんが早くなったとき、逃げ馬、先行馬、総崩れもないとは言えない……。

  悩ましいのは、今回、ダート初出走馬が多いことだ。リーチザクラウン、ローレルゲレイロのほかに、スーパーホーネット、ザレマ、レッドスパーダが出走する。とくにレッドスパーダは東京新聞杯で重賞初制覇を飾っているだけでなく、G1のNHKマイルカップでも2着していて、芝なら東京の1600メートルなら本命にしてもおかしくない。血統からも、530キロ台の馬体からも、ダート適性は十分と思える。また、スーパーホーネットもマイルチャンピオンシップで2度の2着がある。

 

  さらに、ここまで触れていないが、昨年の覇者サクセスブロッケンもいる。昨年のレースを見ると、サクセスブロッケンは逃げ粘るエスポワールシチーを交わして勝っている。得意の東京1600メートルが舞台ならば、エスポワールシチーとは差がないだろう。

  またさらに、今年の4歳馬は、実績からもみな強い。古馬を退けてGレースを勝ってきている。とくにステップレースの根岸ステークスを勝ったグロリアスノア。そして、同レースで、58キロの斤量で折り合いを欠いたにもかかわらず、2着とは0秒1差に踏みとどまったスーニは、侮れない。また、ここ2戦は3着といまひとつのテスタマッタも、実績があるうえ、調教状態もいい。

 

 というわけで、結局、論理的な予想では、結論が出ない。というか、どうしていいかわからない。そこで、いつもどおり、すべての論理的思考をやめ、スーニ、グロリアスノア、テスタマッタ、レッドスパーダの4歳馬4頭の馬連全からみを買って、見ていることにする。じつは、もう1頭、ケイアイテンジンという4歳馬がいるが、これはやめておく。

 あと、スーニが外枠に入ったら、頭にして、残り3頭への馬単も買う。スーニの父親は、アメリカ生産馬の「ソト」である。

 それにしても、フェブラリーステークスとは関係ないが、角田晃一が調教師になるのは痛い。もう彼の馬券が買えなくなると思うと、本当にさみしい。

 

■角田晃一(つのだ・こういち)

1970年(昭45)11月18日、鳥取県生まれの39歳。1986年競馬学校騎手課程。1989年渡辺厩舎所属で騎手デビュー。8308戦711勝(2月10日現在)。1991年の桜花賞でシスタートウショウに騎乗しG1初勝利をあげ、その後もジャングルポケットで2001年の日本ダービーを制するなどG1 は10勝。