G1予想[029]第70回桜花賞(4月11日) 印刷
2010年 4月 11日(日曜日) 01:53

オウケンサクラ(王剣桜)にショウリュウムーン(昇龍月)の1点勝負

  今年の春は、なぜか湿りがちで、しかも肌寒い日が続く。桜は咲いたが、快晴の青空の下にピンク色の桜花が匂うというような鮮やかな春の一日が、今日までないままに過ぎた。先週の土曜日、横浜三渓園に夜桜を見に行ったが、途中から雨が降り出し、慌てて帰宅するという情けない花見をしてしまった。

  桜花賞は、毎年、桜花匂う阪神競馬場のマイルに3歳牝馬の精鋭が勢揃いして行われる。フェブラリーステークスがなかった頃は、最初のG1であり、クラシックの開幕戦だったから、桜が開花し、出走予定メンバーが発表されると、それだけで胸が高鳴った。
  そして、今年はどの馬が魔の桜花賞ぺースに翻弄されるのだろうかと考えた。桜花賞の予想は、これがいちばんの難関で、どんな本命馬がいようとペース次第では馬群に沈んだ。
 しかし、いまはコース形態も変わり、魔の桜花賞ぺースもなくなった。

  私が桜花賞をナマで見たのは、1度だけである。
  1992年、ニシノフラワーは、一番人気と直前の河内洋への乗り替わりというプレッシャーを克服して桜の女王に輝いた。桜花賞を2歳女王が勝つのは順当なこととはいえ、直前のトライアルで負けてしまい、騎乗した佐藤騎手が自信をなくして自ら乗り替わりを申し出たということが、当時は大きな話題になった。しかし、この年の桜花賞は魔の桜花賞ペースにならず、ニシノフラワーは直線抜け出すと、堂々たる勝利を飾った。
  このとき、満開の桜のなかを駆け抜けたニシノフラワーと、河内騎手の満面の笑みは忘れられない。

   

  さて、今年の桜花賞だが、混戦模様だ。2歳女王アパパネは、ニシノフラワーと同じように前走トライアルで負けてしまい、断然人気とはなっていない。前日発売の最終オッズ(午後5時30分現在)を見ると、単勝は、アパパネが1番人気だが3.3倍だ。続いてアプリコットフィズが5.3倍、ショウリュウムーンが10.0倍である。

1-1ショウリュウムーン(牝3、佐藤哲三、栗・佐々木晶三)
1-2 ギンザボナンザ(牝3、北村宏司、美・池上昌弘)
2-3 アプリコットフィズ(牝3、横山典弘、美・小島太)
2-4 コスモネモシン(牝3、石橋脩、美・清水英克)
3-5 モトヒメ(牝3、大野拓弥、美・松永康利)
3-6 ワイルドラズベリー(牝3、浜中俊、栗・中尾秀正)
4-7 タガノエリザベート(牝3、川田将雅、栗・松田博資)
4-8 オウケンサクラ(牝3、安藤勝己、栗・音無秀孝)
5-9 アパパネ(牝3、蛯名正義、美・国枝栄)
5-10 レディアルバローザ(牝3、和田竜二、栗・池江泰郎)
6-11 エーシンリターンズ(牝3、福永祐一、栗・坂口正則)
6-12 ステラリード(牝3、藤田伸二、栗・森秀行)
7-13 アニメイトバイオ(牝3、内田博幸、美・牧光二)
7-14 ジュエルオブナイル(牝3、幸英明、栗・荒川義之)
7-15 サウンドバリアー(牝3、渡辺薫彦、栗・安達昭夫)
8-16 ラナンキュラス(牝3、四位洋文、栗・矢作芳人)
8-17 シンメイフジ(牝3、岩田康誠、栗・安田隆行)
8-18 プリンセスメモリー(牝3、勝浦正樹、美・高橋義博)

  ニシノフラワーは、思いだしてみると、じつに桜花賞馬らしい名前だ。西山牧場の馬とはいえ、冠名の下にずばりフラワーを付けたのだから、桜花賞を勝つために生まれてきたような馬ではないか。
 そういう見方で見ると、今年はずばり、オウケンサクラだろうか?これほどふさわしい名前の馬はいないだろう。シンメイフジ、ワイルドラズベリー、アプリコットフィズなどは、桜の女王にはなりえない名前だ。花の名前が違う。

  で、それではオウケンサクラにふさわしいもう1頭(相手)はと見ると、ショウリュウムーンがいいのではとピンときた。漢字にすれば、「昇龍月」(=ムーン:月に昇るドラゴン:龍)。桜に月はぴったりではないか。オウケンサクラ(王剣桜)にショウリュウムーン(昇龍月)。夜桜の枝の間から垣間見える月に向かって登っていく龍が見えるようだ。

  以上、まったく予想になっていないが、それはいつものこと。オウケンサクラ(王剣桜)にショウリュウムーン(昇龍月)の馬連1点勝負としよう。

  ところで、この5月で、私は長年勤めた光文社を退職することにした。社の業績が傾いて、希望退職制度が発表されるや一番で応募した。だから、そうしてもらった退職承認の書類の通し番号は、当前001。ショウリュウムーンは1枠1番である。