G1予想[061]番外編:函館競馬場で考える日本の競馬の未来 印刷
2011年 6月 28日(火曜日) 03:23

 

  6月25日(土)、26日(日)と、函館競馬場に行った。森朝子さんが毎年企画する競馬ツアーで、気のおけない仲間と家族と一緒に、2日間、競馬を楽しんだ。だから、宝塚記念は競馬場内のターフビジョンで見た。もちろん、惨敗。ハートビートソングは来るわけがないと思ってはいたが、トゥザグローリーの惨敗には正直驚いた。よほど調子がよくなかったのだろう。

 

  北海道は梅雨がない。函館は2日間とも晴れて、日本で唯一海が見える競馬場を満喫した。6月なのに、関東は記録的な暑さになったが、函館まで来るとさすがに涼しい。津軽海峡からの海風が心地よく、馬場を渡っていく。ターフを疾走する馬たちも、その風を受けて軽やかにコーナーを回ってくる。

 

  函館競馬場は、かつては本当にのどかなローカル色いっぱいの競馬場だった。しかし、2008年9 月から行われていたスタンド改築工事が完成し、去年、最新の競馬場に生まれ変わった。今回、それを初めて見たうえ、4階の来賓室で観戦したので、雑念はすべて吹き飛んだ。土曜日、最終レース終了後、騎手との写真撮影会があるというので、家族3人で、丸山元気騎手ら3人と一緒に写真を撮らせてもらった。

 

  函館は芝コース・ダートコースとも向正面に約3mの上り坂があるものの、直線は平坦。また、ゴールまでの直線は中央競馬で一番短い262.1m。そのため、4コーナーで先頭馬群にいないとほぼ勝てない。ただ、人気の逃げ馬、先行馬がこのコース形態を過信してペースを誤ると、ゴール前で失速してとんでもない大穴一が出ることがある。日曜日の最終レースはそんなレースだった。なんと、最低人気の馬が勝った。

 

  この単勝と複勝を家内と娘が持っていた。単勝はもちろん万馬券。100円が1万5000円ほどになった娘は満面の笑みを浮かべた。「なんでそんな馬を勝ったの?」と聞くと、「名前がリッツィースターだから。いまツイッターが流行っているから」との答え。確かに名前は似ている。リツィートを連想させる。私が30年かかって、競馬はまともに予想して馬券を買うゲームではないと悟った境地に、すでに娘が達しているのに、改めて驚いた。

 

  函館競馬場はこれまで検疫厩舎がなく、そのため、国際競走ができなかった。しかし、改築後は、2009年より函館スプリントステークス・函館記念が、2010年より函館2歳ステークスがそれぞれ国際競走に指定された。しかし、外国馬が来たことはない。そこで、思うが、夏の北海道で国際G1をやり、外国馬をどんどん来させるべきだろう。

 

  もはや、日本の競馬場も競走馬も国際水準に達している。いや、ヴィクトワールピサがドバイワールドカップを勝ち、函館のようなローカル競馬場まで整備されたことを思うと、世界一のレベルになったと言える。それなのに、いまだに競馬人は欧州に憧れ、向こうで勝とうとする。それはそれでいいが、もうそろそろ逆の流れを起こすべきだろう。欧州が経済危機でガタガタになっているいまこそチャンスだ。発展するアジア経済を背景にすれば、中国人富裕層を取り込むことも可能のいま、欧米崇拝を捨てさえすれば、日本を世界の競馬の中心地にすることも可能だろう。

      

 (左)函館競馬場正面入り口 (右)ゴールポスト

  

 

 (右)スタンドからコースを見降ろす。正面向こうに函館山 (左)ターフビジョン

   

 (左)2コーナーの向こうに津軽海峡が望める(右)上空をときどき飛行機が飛ぶ

   

  (左)馬道から見たスタンド、競走を終えて帰ってくる馬を見る観客 (右)勝馬との記念撮影

   

 (左)ゴールポスト前(右)宝塚記念の記念イベントで応援団扇プレゼント 

   

 (左)丸山、古川、丹内 3人の (右)3騎手との記念写真