G1予想[080]第79回ダービー:東京優駿(2012年5月27日) 印刷
2012年 5月 23日(水曜日) 02:52

ワールドエースが大外一気!

 

 ダービーの思い出は尽きない。未来を託した数々の馬の名前が浮かんでは消える。最近では、ジャングルポケット。最近と言っても2001年のダービー馬だから、もう10年以上も前のことになる。鞍上は角田晃一。ジャングルポケットは3歳馬ながらジャパンカップも勝ち、この年の年度代表馬になった。

 ジャングルポケットのダービー制覇は、幻の三冠馬と呼ばれたフジキセキ(同馬主・同厩舎・同騎手)の念願を成就したものと、当時、話題になった。しかし、それよりも、私は角田の大ファンだったので、彼がやっとダービージョッキーになったことを喜んだ。ただ、同じく大ファンで、角田と同期の田中勝春はいまだにダービーを勝っていない。

  ジャングルポケットのダービーの勝ち方は鮮やかだった。皐月賞馬アグネスタキオンが屈腱炎を発症して戦線離脱したため1番人気になったが、実力勝ちと言っていい。2番人気になったクロフネは5着に沈み、2着にはダンツフレームが入った。

 

 競馬学校時代に癖馬ばかり乗らされた

 

 ジャングルポケットは気性の激しい馬だった。ダービー制覇時のウイニングランで大歓声を浴びると、頭を激しく上下させた。しかし、角田晃一は涼しい顔でなだめるそぶりも見せずに、スタンドの観客の方へ馬を進めた。

  角田は、もともと素質があり、デビュー時の1989年に43勝を挙げ、同年のJRA賞最多勝利新人騎手として表彰されている。乗り方は軽く、追い方は華麗で、私はデビュー時から彼のファンになった。

  デビュー3年目の1991年、角田はシスタートウショウに騎乗し桜花賞を制覇、GIジョッキーとなった。このとき、気性難のシスタートウショウを乗りこなせたことについて、彼は「競馬学校時代に癖馬ばかり乗らされた経験が生きた」と語った。つまり、ジャングルポケットは角田にぴったりの馬だった。

   

 ▲スタンド前でイヤイヤをするジャングルポケット(ダービー後のウイニングラン)

 

「皐月賞で躓き、大きく出遅れ」という共通点

 

   このジャングルポケットとワールドエースがダブる。ジャングルポケットは皐月賞でスタート直後大きく躓き、出遅れた。その結果、直線追い込むも3着だった。ワールドエースもスタートで躓き、福永祐一は落馬してもおかしくなかった。それを道中立て直し、直線は大外から追い込んで2着に敗れた。

  福永はまだダービーは勝っていない。牝馬のクラシックは桜花賞もオークスも勝っているが、ダービーは縁がない。角田も牝馬のクラシック、G1を多く勝ったので「牝馬の角田」と言われた時期があった。福永も「牝馬の福永」と言われてきた。ただ2人が違うのは、福永が栗東生まれの騎手2世で競馬界の出身であるのに対して、角田が鳥取生まれで競馬界とはなんの縁もない出身であることだ。

 

まともに走ればゴールドシップ以上であるのは間違いない

 

  ワールドエースがまともに走れば、重馬場で内を突いて抜け出したゴールドシップ以上であるのは間違いない。皐月賞でなにもかもうまくいったゴールドシップを買うのなら、まだ3着に負けたディープブリランテのほうがいい。

  皐月賞出走馬のレベルは高いが、皐月賞をスキップして毎日杯から直行のヒストリカルも相当な器だ。ワールドエースの相手一番は、この馬にする。あとは、ト-センホマレボシ。

   ◎ワールドエース

   〇ヒストリカル

   ▲ディープブリランテ

   △ゴールドシップ

   △トーセンホマレボシ