12/08/12●米作家協会がグーグルに、史上最大20億ドルの損害賠償を請求か? 印刷

米国メディアの報道によると、米作家協会(Authors Guild)は、グーグルに著作権侵害された著作について、一点につき少なくとも750ドルの賠償を要求しているとのこと。これは、グーグルが米国の大学図書館が所蔵する270万冊におよぶ書籍を著作権者の許可無くスキャン・デジタル化したことに対する対抗措置。もし、この金額が認められると、グーグルが支払う額は最大で20億ドルになり、著作権侵害関連では歴史上最も高い賠償額となる。

音楽業界ではレコード会社各社がP2Pファイル共有サービスの「Limewireに対して10億ドルの損害賠償を求めたことがあったが、結局1億500万ドルの賠償額に落ち着いた。また、ナップスターとの訴訟でも最終的に約5億ドルの支払いで決着している。

 グーグルは、今回の件は著作権法で定める「フェアユース」の原則に沿ったものと主張している。さらにグーグルでは、「書籍は読まれるために存在するもの」とし、これらをコピーし、検索可能にしたり、内容の一部を公開するために著作権者の許可をとる必要はないとしている。

  

   しかし、作家協会側は、グーグルが書籍ページの脇に検索広告を表示している点を挙げ、これはフェアユースに該当しないと反論している。たしかに、広告を入れている点では、営利行為である。フェアユースは、批評や論評、報道、教育、研究などの目的のためにつくられた概念。作家協会では、フェアユースが該当するのはユーザーによる利用であって、グーグルではないとしている。

はたしてどのような結果になるのか、公判は来月開かれる予定。

 

≪参照サイト≫

Why David Brin Hates Yoda, Loves Radical TransparencyWired News (blog)

Second Circuit Allows Google to Appeal Class Certification in ...‎ Bloomberg BNA

Google Can Appeal Group Status of Digital-Book Case ‎ Bloomberg

U.S. court lets Google appeal digital books class status ‎ Tech2

Google Can Appeal Group Status of Digital-Book Case Businessweek