12/08/29 ●集英社は減収減益、光文社は2期連続で増収増益に 印刷

集英社は8月28日、株主総会を行い、第71期(H23.6.1~同24.5.31)決算を発表した。それによると、売上高は1260億9400万円(前年比 4.4%減)、営業利益25億6300万円(同63.1%減)、経常利益69億1500万円(同39.4%減)、当期純利益37億5100万円(同 32.4%減)で、前期から大幅な減収減益となった。最大の原因は、雑誌分野のコミックスが前期比で11.7%も落ち込んだこと。 ただし、「MORE」「BAILA」「MAQUIA」「eclat」などの女性誌は好調で、広告収入も同1.1%増と堅調だった。

集英社に先立つ8月24日、光文社も株主総会を行い、第68期決算が確定した。それによると、売上高は246億3000万円(前年比5.6%増)、営業利益は15億6300万円(同1.0%増)、当期純利益は11億1800万円(同1.9%増)と、2期連続で増収増益となった。売上高の内訳を見ると、「販売」が145億7200万円(同6.7%増)、「広告」が79億9900万円(同1.1%増)、「その他」(物販・版権収入など)が9億9300万円(同59.4%増)といずれもアップしている。ただし、「不動産等」10億6600万円(同6.4%減)はダウン。集英社と同じく、「VERY」「STORY」「HERS」など女性誌が好調だったことが、業績を押し上げた。

両社とも女性誌が好調。これで広告収入がわずかでも前期比増となっているのが、共通している。ただし、昨年前半期は東日本大震災の影響があっただけに、この程度の回復は当たり前。集英社の漫画が大幅に落ち込んだことを考えると、出版界の今後の見通しは暗い。