12/08/30●『ブラックジャックによろしく』の2次利用が、なんとすべてタダに! 印刷

漫画家の佐藤秀峰さん(38)が自作の漫画『ブラックジャックによろしく』に関して、あらゆる2次利用を来月15日から無償で認めると発表した。 佐藤さんは「従来の著作権を振りかざして利益を得る方法は段々と古くなっていくはずです」とし、「どのように作品が拡散し、利用され、著者に利益をもたらすのか、もたらさないのか、その調査をしたいと思っています」と述べている。佐藤さんのスタンスは「著作権は放棄しないが行使しない」で、具体的な規約は9月15日に明らかにするという。

  佐藤さんは2010年、すでに同作品をWebサイト「漫画onWeb」で無料公開に踏み切っていて、著作権者自らが権利を行使ないという、ウエブ時代の新しい著作権のあり方を模索してきた。

 

   「漫画onWeb」より

  2次使用は、小説化、映画化、アニメ化、関連グッズの制作・販売など、数多くの分野に及ぶ。これがタダになる影響は大きいが、『ブラックジャックによろしく』のような人気作品でないと、いくらタダでも使われるとは限らない。佐藤さんは「インターネットは情報をどこまでも拡散できる。この設計思想は著作権という考え方と対立する。拡散、共有されることで、著者にも利益が入る仕組みができないでしょうか」と書いているが、 残念ながら、いまのところそういう仕組みはできていない。ウェブ文化では、コンテンツはタダが当たり前だと思い、著作者に対して敬意など払わないユーザーが圧倒的に多い。