12/09/20●EUでも電子書籍価格の独禁法違反問題が決着。大手4社がエージェンシーモデルを放棄 印刷

9月19日にEU当局が明かしたところによると、アップルと大手出版4社が新たに、ホールセールモデルによる契約を結んだという。アップルと新契約を結んだのは、サイモン&シュースター、ハーパーコリンズ、アシェット・リーヴル、ホルツブリンク(マクミランの親会社)の4 社。この4社にピアソン・ペンギンを加えた5社は欧州委員会(EC)から電子書籍の価格で独禁法違反の嫌疑をかけられていたが、このほどピアソン・ペンギンを除いて、和解に応じたという。

  和解の条項には、大手出版4社とアップルが委託販売に関する合意を終結することが明記されている。これにより、小売業者は、出版社が支払う(1年間の)販売手数料の総額の範囲内で価格競争ができることになった。つまり、出版社からの卸売価格が50%なら、50%まで値引きが可能だ。ただ、こうなると、ギリギリまで値引きできるのは、体力のある大手だけということになる。

 なお、この欧州での和解は、アメリカでの同じような電子書籍価格をめぐる問題で、大手3社が司法省と和解したことを受けてのことである。