13/01/23●アマゾンも参入、電子書籍の「言い値販売」(PWYW Model)が本格化か? 印刷

アマゾンが大学教科書向けの電子教科書レンタルサービスで、「Kindle版」書籍のレンタル実験をスタートさせた。この実験では、読者は30日、60日、90日、120日と4つレンタル期間を選択でき、その期間の長さに応じて価格が自動計算されるようになっている。つまり、「Pay what you wantモデル」(略称:PWYW )の導入だ。

 「PWYWモデル」は、「言い値販売」と訳されている。買い手が買値を決められるモデルで、もちろんタダでもいい。

 アメリカでは、ネット通販でこの「PWYW モデル」を使ったベンチャーが、続々登場している。電子書籍業界においても、「Humble Bundle」社「StoryBundle」社などが、昨年からこのモデルでのサービスを行っている。

 「PWYWモデル」は、2007年にイギリスのロックバンドのレイディオヘットがアルバム販売で採用したのが始まり。値段はダウンロードするユーザーに委ねるという画期的な取り組みで注目を集めた。それが、昨年からで電子書籍の世界でも始まった。

 「PWYWモデル」とは趣が異なるが、イスラエルの「Total Boox 」という新興サイトは、このほど「読んだ分だけ課金」というサービスを始めた。読まない場合はタダ、10%読めば全体価格の10%、100%読んだら全額を払うというシステムだ。

 今回のアマゾンの参加で、今後ますます「PWYWモデル」が注目され、それとともに電子書籍の課金システムも変化する可能性がある。