13/07/04●KADOKAWA、講談社、紀伊国屋書店などが図書館向け電子書籍販売 印刷

KADOKAWA、講談社、紀伊国屋書店の3社の社長が、7月3日、「東京国際ブックフェア」の基調講演で、公共図書館向けに電子書籍を販売する共同プロジェクトを始めることを明らかにした。この事業には小学館なども参加する見通しだという。

 これまで出版社は書籍の販売が落ち込むとして、図書館で電子書籍貸し出しには消極的だった。しかし、米国では「Overdrive」などのネット企業による図書館に電子書籍を貸し出すサービスが急拡大。これを受けて、日本でも同様の事業を進めて、電子書籍の販路を広げることで出版界は方向転換したと言える。

 このシステムでは、利用者が各地の図書館が無償提供するアプリをスマホなどに取り込み、専用のサイトから電子書籍を借りることができる。そして、一定の貸出期間が過ぎると、借りた電子書籍は端末から自動的に消去される。これがはたして日本で根付くかはわからない。また、これが進むと、図書館自体がリアル性を失い、存在自体が問われることになるだろう。