13/09/14●アマゾンが発表した「Kindle MatchBook」をめぐって出版界は大揺れ 印刷

アマゾンは93日に、第6世代となる新「Kindle Paperwhite」を発表した。Wi-Fi版は119ドルで、930日に発売が予定されている。この発売と同時に紙版の書籍を購入すると同じ書籍のKindle版を格安、あるいは無料でダウンロードできる新サービス「Kindle MatchBook」も始まる。Kindle版の価格は出版社や著者によって異なり、無料か、0.992.99ドルになる。

 この発表を受けて、米出版界は大揺れになっている。「Publishers Weekly」の記事によると、参加出版社はいまのところわからず、多くの出版社が拒否する可能性があるという。

 このサービスは今後日本でも導入されるはずで、そうなるとどうなるだろうか? まず言えるのは、電子版に積極的な出版社にとっては、プラスアルファの売上が見込める可能性があることだろう。しかし、日本の電子書店は同じサービスを始めない限り大打撃を受ける。また、リアル書店で紙版を買っても電子版は別に買わなければならないので、アマゾンでの購入が進むことになる。そうなると、リアル書店の衰退は加速化し、その影響で出版社自体の売上も落ちる。

 結局、紙と電子両方でアマゾンの寡占化が進むだけになるはずだ。