13/10/07●販売は不振なのに、ミリオンセラーが連発される2013年書籍市場 印刷

書籍の売上は毎月、前年比で落ち込んでいる。とくに今年の8月の書籍売上は前年比6.7%減と、今年の中では最大の減少となった。ところが、今年はこれまでに、ミリオンセラーが続々と誕生している。大ヒットしたテレビドラマ『半沢直樹』の原作、池井戸潤『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』(いずれも文春文庫)が累計200万部を超え、百田尚樹『永遠の0講談社文庫)は300万部、近藤誠『医者に殺されない47の心得』100万部に達した。漫画では『進撃の巨人』が累計2500万部に達している。

 最近は、ミリオンセラーが2009年、2010年には各2作、それが2011年には突如7作(『謎解きはディナーのあとで』など)になったものの、昨年は『聞く力』1作だけだった。それが、今年は4作を超え、これから暮れにかけてさらにミリオンになりそうな作品もある。

 これは、「不況下の一人勝ち現象」で、どの業界でも起こっていることと同じか? たとえばスマホならiPhone、電子書籍ならアマゾンというふうに。つまり、消費者は選択肢がありすぎると逆に選択をやめてしまい、みんなが買っているものしか買わなくなるからだろう。