14/07/11●フランスの「反アマゾン法」骨抜き。なんと送料1ユーロセント 印刷

フランスで、オンライン書店の送料無料を禁止して街の本屋を守る通称「反アマゾン法」が可決し、78日から実施された。しかし、狙い撃ちにされたアマゾンは「無料でなければいい」ということで、送料を最低価格の1ユーロセント(約1.4円)に設定した。つまり、法律は完全に骨抜きにされたわけで、なんでこんな「ザル法案」を、「自国文化を守るため」という名目でつくったのか、フランスの議員たちの無定見ぶりにはあきれる。

「反アマゾン法」は送料無料を禁止しているだけなので、アマゾンの対抗策は法律上は完全に「合法」だ。

 フランスが保護したかった自国文化とは、国内に現在約3500店舗ある「街の書店」。フランスではアマゾン上陸以来、街の書店が次々に潰れてきた。その引き金を引いたのが、アマゾンが行う送料無料配送で、これを法案は「ダンピング」と断じたのだった。現在、フランスのプロント版書籍販売のうち、ネットによるものは17%。そのうち70%はアマゾンが占める。これは、日本でも同じような構図だ。