09/07/30●産経新聞「ウェブ面」が新設 生き残りかけネットに活路 印刷

 新聞社のウェブに活路を求める動きが活発化している。
 政治面、経済面、社会面の次は「ウェブ面」——。このほど、産経新聞にインターネット の話題だけを取り上げる「面」が新たに登場した。日本の一般紙では初の試みである。購読者数や広告収入の激減で、現在、新聞社は苦境にあえぎ、園田開作として「ネット」との連携を強化するしかないようだ。

 産経新聞は2009年7月30日、全国版の紙面を丸々1ページ使って「Web(ウェブ)面」という新紙面をスタートさせた。毎週木曜日(一部地域は金曜 日)には、インターネットに関する様々なニュースを取り上げるという。1回目のトップ記事は、人気急上昇のミニブログサービス「ツイッター (Twitter)」の紹介だった。

「これまでもネット関連のニュースを断片的に出していたが、1面全部をつぶしてネット界の最新ニュースを伝える試みは日本で初めてだと思う」
と、記者会見で同社の斎藤勉常務は語ったが、こんなことが記者会見をするようなニュースなのだろうか?
  もっとも、産経は日本の新聞社のなかで、いちばんネット強化路線を先行させている。2007年10月にはマイクロソフトと提携してニュースサイト「MSN 産経ニュース」をスタート。スクープも含めて最新ニュースをウェブにいち早く流したり、裁判傍聴記の詳報といったネット向けの独自コンテンツを掲載したり して、アクセス数を着実に増加。新聞の販売部数では、朝日新聞や読売新聞に水を開けられているが、ネットでは逆に一歩リードしている。

「MSN産経ニュース」の月間ページビュー(PV)は約4億で、産経新聞の主要5サイト(MSN産経・サンスポ・ZAKZAK・イザ!・フジサンケイビジネスアイ)の合計PVは9億5000万。これらの数字は新聞社系ではトップだという。
 しかし、新聞の紙面とこの数字が連動していくかは不明。また、新聞の落ち込みをネットがカバーすることは、ほぼありえない。それは、アメリカの「ニューヨーク・タイムス」などを見ても明らかである。