09/09/16●「マガストア」がスタート、『AERA』『SPA!』など16誌がiPhoneで! 印刷

   電通とヤッパは、9月14日から、電子雑誌の専門販売事業「MAGASTORE(マガストア)」を開始した。

 当面は、iPhoneアプリでのサービスだが、いずれ、この電子販売は拡大される。今回、販売開始されたのは、『AERA』『ar』『GQ JAPAN』『週間ダイヤモンド』『SPA!』『FRIDAY』など16誌。書店で販売されている雑誌とほぼ同様の記事が収録されている「Full版」、雑誌の一部記事を収録した「Lite版」、特別編集による「Special版」などのバージョンがあり、価格は115円か ら700円。

 「MAGASTOREビューアー」では、iPhoneを縦にすると単ページ表示、横にすると見開き表示が可能。目次からページへジャンプしたり、テキストだけを抜き出して表示したりすることもできる。また、雑誌の見出しや新着雑誌の中吊り情報を閲覧できる「MAGASTOREアプリ」は有料版(115円)と無料版がある。ただし、雑誌の購入ができるのは有料版のみだ。


 さて、これで実際の雑誌も売れ、電子版もどんどんダウンロードされれば、めでたしめでたしだが、問題はある。それは、コンテンツを提供する出版社側の売り上げからの取り分が、40%にすぎないこと。ほかのスマートフォンでは50%だから、それだけも高い。さらに、出版社にしてみれば、取次に代わる新しい中間卸売業者を通してコンテンツを提供しているわけで、本来のデジタル化とはとても呼べないことだ。

 デジタル化時代は、他人がつくったプラットフォームに乗ってコンテンツを提供していては、儲かるのはプラットフォーム側だけである。今回の「マガストア」は、電通の新事業だから、出版社側つき合ったとしか言いようがない。本来なら、自分でアップルのアップストアに配信すればいいだけだ。なぜ、日本では、こんな中間業者ばかりが入るかたちでしか、デジタル化が進まないのだろうか?