09/09/20●ジュンク堂が文教堂の筆頭株主に!またもや大日本印刷の傘下入り 印刷

  このほど、書店チェーンを経営する文教堂グループホールディングスの筆頭株主に、ジュンク堂書店がなったことが明らかになった。ジュンク堂は、文教堂の発行済株式の20.40%を取得した。これにより、両社は資本提携を行うとともに、協力関係を築き、低迷する出版書店業界にあって、将来を見据えた業容の拡大や経営の効率化を目指すという。
 
 ところで、そのジュンク堂は、2009年3月18日に株式の51%を取得した大日本印刷によって子会社化されている。ということは、これで、大日本印刷は、丸善、ジュンク堂、文教堂という大手書店チェーンを3つも傘下に収めたことになる。

 大日本印刷は書店以外にも、出版業界との提携を手がけてきた。2008年2月には、図書館への図書販売などを手がける取次・図書館流通センターを子会社化。2009年5月8日には、主婦の友社の株式およそ39%を取得し、「電子出版などの事業拡大に取り組む」と発表している。

 大日本印刷のこうした戦略については、「提携によって出版ビジネス全体を発展させるため」と言われており、具体的には、書店の購入データなどの消費者のニーズを出版社側に提供し、出版やネット通販などのWebサービスなどを拡充させていく」とされている。

  しかし、この戦略が功を奏すかどうかは、まったく未知数だ。市場縮小が続く出版業界のなかで、本離れが進む消費者のデータをいくら集めても、それがビジネス化できるとは考え難い。現在、書店に足を運んでいる消費者は、私に言わせると、「時代に取り残された人々」だからだ。そんな時代遅れの人々のマーケティングをしてどうするのだろう?

 ほかのメディアの消費者ニーズをさぐるほうが、よほど有効だと思えるが……。