09/10/28●『小学五年生』『小学六年生』休刊の衝撃 印刷

 小学館の学習雑誌『小学五年生』『小学六年生』が、平成21年度いっぱいで休刊することになり、26日、同社から発表された。両誌は1922年の小学館創設とともに創刊。ピーク時の1973年4月号では「五年生」が63万5000部、「六年生」が46万部を記録したが、近年は両誌とも5〜6万部と低迷していた。
 小学館はさらに、少女向けコミック誌『ChuChu』も、12月28日発売の2010年2月号で休刊すると発表した。

    デジタルネイティブには不要か?

 学年別学習雑誌は、小学館の看板であり、創業の礎となった基幹事業だけに、出版界に与える影響は大きい。同社広報室は休刊の理由を「近年、とくに小学校高学年の学習環境の変化は急激で、ゲームやスポーツなど趣味や嗜好の多様化も進んだ。男女の性差も顕著になり、読者ニーズに必ずしも合致しなくなってきた」と説明。「小学一〜四年生」の各誌は刊行を続けるが、内容の改革を進めるという。
 また、休刊する2誌に代わり来春には学習漫画誌『GAKUMANPLUS(仮題)』を創刊するという。

 出版不況が深刻化するなか、このようなことは予想されてきたが、今回の小学館の決断は、「今後は、不採算事業をどんどん切っていく」方向が明確化したといえるだろう。ここにいたるまでは社内でも多くの議論があったようだが、もはや紙媒体の衰退は止められないと判断したわけだ。
 それにしても、学年別学習誌が小学校高学年からなくなるということは、デジタルネイティブ世代の台頭を表している。低学年誌は、まだ親が子ども買って与えているが、高学年となると、携帯やPCを使うようになり、紙媒体は必要でなくなる。
 となれば、彼らが大人になる頃には、ほとんどのヤング向け紙媒体が消えていくだろう。