09/11/06●民放キー局全5社、すべてが減収 TBSは赤字! 印刷

 在京の民放キー局5社の2009年9月中間連結決算が11月5日出そろった。予想通り、景気低迷の影響で広告収入の落ち込みが続き、キー局全5社とも減収という結果。前年同期が赤字だった日本テレビとテレビ東京の2社を除く3社は、なんと最終損益も減益となり、TBSホールディングスは赤字に転落してしまった。

 TBSは、映画「おくりびと」がヒットした映像・文化事業や「赤坂サカス」などの不動産事業は堅調だったが、肝心の放送事業は低迷。視聴率の落ち込みから広告収入が激減、9000万円の最終赤字になった。しかも、同社は、通期でも29億円の最終赤字を見込んでいる。

 広告の落ち込みは、テレビに限らず、メディア業界すべてに及んでいるが、各社とも番組スポンサーの広告は、十数%の大幅減となり、今後、それが回復する見込みは極めて厳しい状況にある。

 比較的落ち込みが少ないのが、番組と番組の間に流すスポット広告だが、それも減少している。5月ごろから一時的に回復してきたが、それもはゴールデンタイムの視聴率上位3位のフジ・メディアHD、日本テレビ放送網、テレビ朝日だけ。現在では、年末にかけての景気の二番底が懸念されるため、「12月以降は見通せない」状況が続いている。

              [在京民放キー局の09年9月中間連結決算]

               売上高        経常利益      最終損益

  フジ・メディアHD  2807(0.4)   45(70.2)  30 (46.6)

  TBSHD      1757(1.5)   34(69.5) 0.9( - )

  日本テレビ      1443(12.5) 103(213.9)  64 ( - )

  テレビ朝日        1125(10.1)  29(25.1)  10 (16.8)

  テレビ東京         522(12.5)  16(486.6)  10 ( - )

 (注)単位・億円。HDはホールディングスの略。カッコ内は前年同期比増減率%。▼は赤字またはマイナス。日本テレビとテレビ東京は前年同期が赤字、TBSHDは前年同期が黒字だった。