09/12/09●「デジタルニューススタンド」を共同で創設。メディア大手5社が合意! 印刷
  なんと、タイム・ワーナー、ニューズ・コーポレーションなど、大手メディア5社がオンライン事業で結束する ことになった。これは、かなり画期的な出来事である。  12月8日に発表された内容によると、参加するのは、「コンデナスト」Conde Nast、「ハースト」Hearst、「メレディス」Meredith、「ニューズ・コーポレーション」News Corp、「タイム」Timeの5社。この5社はデジタル版の新聞、雑誌などの統一的な規格を定め、コンテンツをオンライン配信する「デジタルニュースス タンド」を共同で立ち上げる。

 この事業が画期的なのは、スマートフォンや電子書籍リーダー、ノートパソコンなどの携帯端末で新聞や雑誌 を閲覧するための共通のフォーマットの開発を目指すこと。したがって、成功すれば、「新聞・雑誌版のiTunes」ができる。5社の共同声明によると、こ のデジタルニューススタンドには広告出稿も可能で、5社以外のコンテンツ掲載を希望する出版社にも開放するという。

  アメリカの新聞・雑誌の収入は、購読料よりも広告料が占める割合が大きい。

  しかし、アマゾン・コムなどが展開する電子書籍端末は広告が掲載できないため、収益力が限られる。また、グーグルのブック検索などに参加しても、広告料は グーグルにほぼ独占されてしまう。こうした点を解消し、コンテンツの作り手である新聞・出版社の収益を確保できるかが、この「デジタルニューススタンド」 の課題だ。

   原則として、コンテンツはフルカラーで提供し、ページをめくるような操作感も出す。もちろん、写真や動画なども配信。スポーツ雑誌ならチームや選手の記録なども簡単に確認でき、料理雑誌では調理法を動画で見せるなど、ネットならではのサービスを満載するという。

  いずれにせよ、これが具体化していけば、新聞・雑誌、書籍のデジタル化はさらに加速するだろう。もはや、紙の時代ではない。