10/01/10●ラスベガスで開かれたCESで、電子書籍端末が次々に登場! 印刷

  ラスベガスで開かれた今年の家電見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では、電子書籍関連のコーナーが初めて設けられ、各メーカーが次々に電子書籍端末の新製品を発表した。英国のプラスチック・ロジック(Plastic Logic)は、端末の画面に、通常使われるガラスよりも丈夫なプラスチックを使った独自開発の製品を展示。また、韓国のサムスンも、5から10インチまでの4機種を出展。いすれも、春には米国で発売すると発表した。

      

    「QUE」:サイズは8.5×11×3インチ(21.5×27.9×7.6センチ)、重さ17オンス(482グラム)。画面は10.5インチ。

 なかでも注目を集めたのは、プラスチック・ロジックが発表した「QUE proReader」。  この「QUE」は、ビジネスにフォーカスした電子書籍リーダーという位置付けで、電子書籍、オンライン版の新聞や雑誌だけでなく、ビジネス文書やメール、予定表を読めるのが特徴。ソフトキーボードで文書にコメントを追加することもできる。

  価格は容量4GバイトでWi-Fiのみ対応モデルが649ドル、8GバイトでWi-Fiと3G対応モデルが799ドルと、やや高めだ。ここまでの機能がいるかとどうか疑問だが、電子書籍端末としてはかなり先駆的な製品であるのは間違いない。

  このような電子書籍端末の普及で注目されるのが、通常の液晶画面を使いながら、電子書籍用での利用も意識した小型パソコン。マイクロソフトのスティーブ・バルマーは CESの基調講演で、新OS「ウィンドウズ7」を搭載した小型パソコンを3種紹介。今回、アップルは発表しなかったが、噂のアップルタブレットは、今月末にも発表されるという。

  こうなると、過当競争を懸念する声も出たが、確かなのは、アメリカでは書籍は完全にデジタル時代に入ったということだ。続いてEU 、日本もそうなるだろう。ただ、新興市場の中国は、著作権の問題がクリアできないうえネットではコピー横行しているので、電子書籍端末が普及する可能性は少ない。