10/02/16●またも「無料」ダウンロードで販売アップを。インプレスがフリー・キャンペーン! 印刷
   書籍の発売前に「電子版」をネットで無料配布するキャンペーンが、本格化する兆しがある。このほど、インプレスジャパンは、2月15日に出る新刊本『できるポケット+ クラウドコンピューティング』(819円)の電子版(PDF)を、発売直前にネットで無料ダウンロードできるようにした。希望者は会員登録して、電子書籍の利用意向に関するアンケートに回答すれば、新刊の全文を収録した電子版(PDF)を無料で閲覧できるというキャンペーンだ。

 こうしたフリー・キャンペーンは、2009年11月にNHK出版が『フリー <無料>からお金を生み出す新戦略』(1890円)の発売に合わせて「全文無料配布」を実施したのが、日本での先駆けである。このキャンペーンは、本のタイトル『フリー』だからシャレかもしれないが、功を奏して、その後発売された書籍は14万部も売れた。

 ただし、こうした戦略がどん本にでも通用するかどうかは、いまのところわからない。というのは、『フリー』はIT誌『WIRED(ワイアード)』編集長のクリス・アンダーソンのベストセラーの日本語版だし、インプレスの本もまたIT関連書籍である。つまり、ネットともともと相性がいいからだ。

 すでにアメリカでは、「キンドル」で無料本が山ほど公開されている。パブリックドメインに限らず、著名作家の2、3年前の本まで無料で読めるものがある。これは、無料で読者をつかみ、同じ作家の最新刊を買わせようという、まさに、『フリー』で紹介されたフリーミアム(freemium)戦略だ。

 インプレスジャパンのキャンペーンは、2月8日から発売日の15日正午まで限定だが、12日夜までに約1800 回ダウンロードされたという。