10/03/ 02 ●新聞協会が「クロスメディア所有」規制に反対声明。民主党の政策は時代錯誤 印刷
 日本新聞協会は、3月1日、「クロスメディア所有」の規制強化の撤廃を求める意見を表明した。これは、原口総務相が進めてきた新聞社や放送局などを1つの資本が支配する「クロスメディア所有」の規制強化の動きへの反対表明である。

 同日、総務省で開かれた有識者会合では、新聞協会メディア開発委員会の大久保好男委員長(読売新聞東京本社メディア戦略局長)が、「放送の多チャンネル化やインターネットの普及で、情報の多様性、多元性、地域性が損なわれる状況にない」と強調。さらに、アメリカや韓国で新聞とテレビの兼営規制が緩和されている動きにも触れて、反対を表明した。

 現在の総務省令では、新聞社が、同一放送地域でテレビ局とAMラジオの両方に10%超出資するなどの「3事業支配」が原則禁止されている。

 原口総務相をはじめとする民主党の閣僚たちの頭は、なぜか、10年ほど遅れている。民主党政権の政策は、ほとんどがそうで、現在の経済情勢に即していないばかりか、反グローバリズム的、そして社会資本主義的である。現在、瀕死の状況にある既存メディアが、この先、情報の独占をするなどということは考えられない。新聞も地方放送局も、いまのままいけば、規制強化などしなくてもどんどん衰退し、潰れていくに違いないからだ。

 いま問われているのは、新聞、テレビ局、ラジオなどの既成メディアのクロス支配ではなく、紙も電波も通信も一体化する世界での新しいメディアのかたちだ。