10/11/03●出版業界総崩れ!大手10社のうち8社が減収 印刷
 帝国データバンクが11月1日まとめた出版業界の2009年度決算調査によると、出版社の売上高上位10社のうち、8社が減収。出版、取次、 書店の3業種とも、2期連続減収の企業が2期連続増収の企業を上回っている。まさに「出版業界総崩れ」の様相になっている。

 売上高が1000億円を超える集英社、講談社、小学館のトップ3社はそろって減収。3社の減収は2期連続だった。講談社、小学館は2期連続 で最終赤字に陥っており、文藝春秋も最終赤字に転落した。この集計では2期連続黒字の集英社も、2010年8月発表の第69期(H21.6.1〜同22.5.31)決算では、売上高は1304億7000万円でトップを維持したものの、当期純損失41億8000万円で初の赤字に転落している。また、光文社も2期連続に続いて今期も赤字。講談社の今期は3期連続の赤字は免れる見込みだが、営業損益では29億円の赤字が見込まれている。

 つまり、大手はほとんど本来の出版業で利益を上げられない状態に陥っており、そのマイナス分を営業外の不動産収入、有価証券売却益などでカバーしてる。したがって、中小となると、この状況はさらにひどく、この調査によると、調査対象620社のうち、2期連続で減収だったのは249社と40.2%を占めている。ただ、2期連続で増収だった出版社も106社 (17.1%)あり、会社によってバラツキが大きくなっている。