10/11/17●新潮社が『週刊新潮』電子版を海外限定配信の不思議 印刷
 新潮社が本当に不思議なことを始めた。なんと、『週刊新潮』電子版の配信を、海外に限定して11月19日からスタートさせると発表。同社のプレスリリースによると、海外在留邦人の数は現在全世界で約110万人。この人々向けに「電子書籍ビジネスの手触りを確かめたい」(同社開発部電子書籍事業室の伊藤氏)ということらしい。

 紙版の本誌は通常号で340円だが、この電子版は450円。なぜこうなるかというと、紙版の本誌を海外で買うと輸送費などが上乗せされるため定価の倍以上になる。だから、「本誌を買うよりお得」(同社電子書籍事業室)なのだという。また、本誌は50万部発行。電子版については「国内人口比と同じパーセンテージなら4000〜5000部売れれば御の字」とも。

  

 私は、海外で日本の週刊誌を購入した経験があるが、それは遠い過去のこと。しかも、発売は日本に遅れること、3、4日。価格も日本に比べて倍以上だから、よほどのスクープ記事がないと買わなかった。

 いまや、ネット時代。スクープならネットですぐ読める。海外にいればいるほど、日本のことはネットで知ろうとするが、電子雑誌を丸ごと買うだろうか。スクープ記事があるなら、ウエブにアップして課金した方がましなのではないだろうか?