10/11/30●シャープもタブレット端末「GALAPAGOS」を発売。電子書籍リーダーが出揃ったが‥‥ 印刷

  11月29日、シャープが電子書籍用タブレット型端末「GALAPAGOS」(ガラパゴス)2機種を12月10日に発売し、新聞、雑誌を含めて2万冊の電 子書籍をネット配信するサービスを始めると発表した。

   ラインナップは、「雑誌が見開きで読める」という10.8型の「iPad」を意識した「ホームモデル」と、スーツの内ポケットに入り「文庫本感覚で手軽に 楽しめる」という5.5型の2種。 10.8型が5万4800円で、5.5型が3万9800円。メーカー直販商品で、電子書籍購入には、同社の電子書籍サービスへの加入が前提となるってい る。タッチパネル操作のほか、指で回転させることでページめくりなどを容易に行えるトラックボールを装備 しているほか、あらかじめ設定した時間帯に新聞や雑誌などのコンテンツが自動で届く定期配信サービスなどもある。

 

    左「10.8」型、右「5.5」型

  コ ンテンツは、新聞、雑誌が「Mainichi Times」(毎日新聞社)、「日経新聞電子版」(日経新聞社)、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド 社)、NHKラジオ基礎英語(NHK出版)など。書籍は、岩崎夏海の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネージメントを読んだら」(ダイヤ モンド社、1470円)、石田衣良の「親指の恋人」(小学館、598円)など。 東京都内で開かれた説明会には、芥川賞作家の平野啓一郎さんが出席し、初の恋愛小説となる「かたちだけ の愛」(中央公論新社、1470円)をガラパゴス向け新刊と紙の本と同時発売することを明らかにした

  これで、電子書籍向け端末は、ほぼ出揃った。すでにNTTドコモのタブレット端末「ギャラクシータブ」は 26日に発売され、この後、NECビッグローブがタブレット端末「スマーティア」を12月6日に発売、ソニーが電子書籍専用端末「ソニーリーダー」をシャープと同じ10日に発売する。

  しかし、どれもこれもタイトル数は少ないうえ、サービスも中途半端で、価格も高い。「iPad」もほとんど売れていない状況で、すべて空振りになる公算が大きい。マスメディアはおおっぴらに書かないが、ガラパゴス化が進むだけ。電子書籍元年は掛け声だけで終わりそうだ。