11/03/05●オンラインを進めれば進めるほど自らのクビを締める!WPの例 印刷

 2月の最終週、ワシントンポスト(Washington Post)社は、2010年第4四半期(2010年通期)の決算を発表。そのなかで新聞(オンラインも含む)だけのPLデータも示された。

 これらをもとに、ウエブメディア「Monday Not」は「Washington Post紙」の過去7年間の第4四半期のデータを、次のような表にして、オンライン化がなにをもたらしたかを検証する記事を掲載した。

 左のグラフはオンライン売上/プリント売上の比率の推移。2004年に10%だったのが、2010年には43%と。順調にオンラインシフトが進んでいるのがわかる。

 ところが、右のグラフを見ると、それがなにがもたらしたかが一目瞭然となる。ことらは、第4四半期の新聞紙広告売上高とオンライン広告売上高の2つのグラフが描かれていて、7年間でオンライン広告の売上が倍以上になっているのがわかる、が、逆に新聞紙広告売上げは半分以下に激減している。これを額で見ると、この7年間で新聞紙広告は8800万ドルも失ったのに対して、オンライン広告は1900万ドルしか増えていないのである。つまり、オンライン広告が1ドル増えるごとに、新聞紙広告は5ドルを失っている。

    

 このように、オンライン化はプリントメディア自らのクビを締めるだけである。現在、プリントメディア各社は、事業の重心をプリントからオンラインへシフトさせている。しかし、進めれば進めるほど売上げは落ちて、体力は消耗する。ということは、これ以上、オンライン化を進めると、逆に経営破綻が早まるということになる。

 やはり、プリントメディアとオンラインメディアはまったく異質のビジネスモデルであり、従来のメディアビジネスの手法は通用しないということなのか?